水田の雑草対策に効果が確認されている「アイガモロボ」の実演会が、山形・川西町の置賜農業高校で行われた。収穫量の増加にもつながるという最新ロボットの農業技術を、生徒たちが間近で体感した。

一見、お掃除ロボット? 水の濁りで雑草対策
「アイガモロボ」という名前から、かわいらしい鳥の形をしたロボットを想像するかもしれないが、四角くてお掃除を手伝ってくれるロボットのようにも見える。
先は少し“くちばし”っぽいが、思っていたよりアイガモっぽくない形。

「アイガモロボ」は、アイガモが田んぼの雑草を食べる「アイガモ農法」をヒントに、稲の生育を妨げる雑草対策として開発されたロボット。
一見地味だが、田んぼの中を泥をまき上げながらランダムに進み、水中の日光を遮り雑草の光合成を妨げ成長を抑える。

2025年に発売された最新型のアイガモロボは、ソーラー電池とセンサーが搭載された。重さは約6キロでこれまでより大幅に軽量化され、田んぼを進むスピードも2倍にアップした。
そして、泥のまきあげも従来のスクリュー式からブラシ式に進化して、水を濁らせる力がより高まったという。

農業学ぶ生徒が進化したアイガモロボを体感
実習用の田んぼに用意されたのは、最新型の2台。
実演会は、農業を学ぶ生徒たちに最新の農業技術と環境配慮技術に触れてもらおうと、置賜農業高校と大手農機具メーカー・井関農機が協力して開いた。
置賜農業高校ではロボットではない本来の「アイガモ農法」にも取り組んでいて、それぞれの長所や課題を比較しながら農業技術の可能性について考えていた。

実演を見た生徒たちからは、「アイガモがいなくても、しっかり機能を発揮してくれるところがとてもすごいと思った」「農業機械は日々進歩していて、環境にもよくなっている。すごいと思う」という声が聞かれた。

実演会に立ち会ったISEKI Japan 山形営業部・大沼翔さんは、「担い手不足が日本の農業の深刻な問題。こういったロボットを導入してもらい、少しでも農家のみなさんの負担の軽減につながればいい」と話してくれた。

メーカーによる実証実験では、コメの収穫量が約1割増えたとのデータもあり、「農家の負担軽減」と「収量アップ」の一石二鳥がねらえるとして期待されている。
(さくらんぼテレビ)