最後に水分補給についても触れておきたい。水分補給は熱中症になってからでは遅い。

熱中症予防としての水分の取り方

例えば、水を一気飲みしたとしても胃を通過するのは約20分後。体内に吸収されるには時間がかかるのだ。そこで、小川さんに効果的に水分摂取する方法を教えてもらった。

「実は真水よりも食塩水のような濃度のある水分の方が体への吸収効率が良いのです。スポーツドリンクは糖分が多いので、おすすめは経口補水液ですね。水を飲む場合は、塩分を含む食事などと一緒に、または、塩などを加えることで少し濃度をつけてから飲むよと良いかもしれません」

真水よりも経口補水液のような濃度のある水分がおすすめ(画像はイメージ)
真水よりも経口補水液のような濃度のある水分がおすすめ(画像はイメージ)

こまめに水を飲むのも大事だが、体の水分を補う効果的な観点からみると経口補水液が良いのだそう。

その他では、日頃から味噌汁のような塩分を含む食材を定期的に摂取するのもいい。このような習慣を日常生活の中に落とし込むことが、自然に熱中症予防へとつながるというわけだ。

近年夏の暑さは異常とも言えるほどで、誰が熱中症になってもおかしくはない。対策はいろいろあると思うが、胃腸の観点からも考えて夏の暑さを乗り切ってほしい。

小川 静香(おがわ・しずか)
株式会社サイキンソー 管理栄養士・公認スポーツ栄養士。日本女子大学家政学部卒業後、東北大学大学院医学系研究科にて、運動学分野の博士(医学)の学位を取得。食品メーカーなどで、資格を活かしたプロモーションや営業活動に従事。サイキンソー入社後は、企業の健康経営推進に向けたセミナーやトップアスリートのコンディショニング支援などを行う。イベントでの講演やメディアへの寄稿や出演も多数。

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