購入した中古車が納入されないトラブルが相次いでいる。車が来ないだけでなく、前払いで料金を払っているお客さんもいる。そんな中で、社長が従業員に宛てたメッセージを入手した。
「先延ばしに…」入金から4カ月も納車されず
「購入したはずの中古車がいつの間にか消えた」と訴えるのは、1月に岡山市の中古車販売店で車の購入契約を結んだDさん。購入額は38万8000円だった。

被害者Dさん:
「遅くても3月中に納車できる」って言っていたのですが、何日までにできるって先延ばしにするだけで、今の状態。

入金から4カ月以上経っても、納車はまだ。
それどころか、販売店の駐車場からDさんの車がなくなり、事務所はもぬけの殻状態。

被害者Dさん:
6月3日に見に行ったら(購入した車が)なくなってました。もう怒りしかないですね。もう嘘つきも詐欺師、詐欺みたいなものなので。
中古車販売チェーン「カーネル」でトラブル相次ぐ
問題の中古車販売チェーン「カーネル」を巡っては、驚きのトラブルが相次いでいる。

被害者Aさん:
これですね、私が買った車。
(Q.目の前にあるのに納車がされていない?)
そうですね。

買った車が目の前にあるのに納車されないケース。
さらには、購入したはずの車がスクラップにされたという事例もある。

被害者Bさん:
「(書類に)もうスクラップされている」と言われて。
「カーネル」突然の一斉閉店で連絡つかず
カーネルは全国に14店舗を展開していたが、現在は全ての店に連絡がつかない状態だ。

突然の一斉閉店。
その裏側を、元従業員は「12月に給料が入らなくなって、(社長が)自転車操業的なことをやっているなというのは感じ始めた」と明かす。

年末から給料の支払いが遅れ始め、次第に店舗の運営費も入金されない状態へ。
そして、運営会社からの入金が途絶え、各店舗の店長の判断で店を閉めざるを得ない状況に追い込まれたという。

「カーネル」元従業員:
やっぱり本社からお給料が、入金がないからお金を立て替えて(車の)登録費用に充てている(従業員の)方たちもいっぱいいて。金銭的にも精神的にも限界が来たので、最終的には店を閉めようと。恐らく社長の資金調達はかなわないだろうと。本当にただただ怒りしかないですよ。
「支援決まった」従業員に通知も…
資金調達に当たっていた運営会社のN社長は3月末、従業員宛てに「『株式会社○○』のご支援を受けることが決まりました。年商200億の売上がある優良企業です」「今後の支援の方法について具体的な話し合いを持ちました」といったメッセージを送っていた。

年商200億円というA社による支援が決定し、運営上の心配はなくなるといった内容だ。

しかし、「イット!」の取材に対しA社側は「カーネルを買収するようN社長から依頼され、その日に会合を持ったが、支援するなどの前向きな回答はしていない」と支援について否定。
全国から被害を訴える声が集まっているという自動車生活ジャーナリストの加藤氏は、N社長の対応に厳しい目を向けている。

自動車生活ジャーナリスト・加藤久美子氏:
一番嫌いなのは「払います払います」と言ってずっと逃げ続けている。何回も引き延ばして結局入っていないので、それがいつまで言い訳として通じるのかなと思う。
(「イット!」6月11日放送より)