東北をのぞき梅雨入りした日本列島。鹿児島などでは、同じ場所に大雨が降り続く線状降水帯が発生しています。今年の梅雨の特徴や注意点を、村田光広予報士が解説します。
◆梅雨入り早々の大雨
今年の梅雨の特徴は以下の2点です。
1.降水量が多い
2.梅雨明けは早い
すでに九州などでは集中豪雨となっていますが、県内でも過去には梅雨入り早々、大雨になった年があります。
2020年6月14日、県内全域で大雨となりました。1日の降雨量は、各地で100ミリを超え、坂井市春江では6月の観測としては最も多くなりました。
福井市安居地区では避難勧告が出されたほか、坂井市丸岡町の国道364号では土砂崩れが発生し、通行止めとなりました。6月、それも梅雨の初期に災害が発生する大雨となったのです。
◆降水量は多め
6月に大雨になる時には、2つ特徴があります。実は今年も、その特徴が現れています。まず、太平洋高気圧の強い張り出しです。周辺を回る暖かく湿った空気が流れ込みやすくなっています。
次に、フィリピンの東の海上の海面水温が高いことです。対流活動が活発なため、海上から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなっています。このため降水量は多くなると予想されます。
◆梅雨明けは早め
さらに今年は、もうひとつの特徴が読み取れます。それは、太平洋高気圧の張り出しが強く、梅雨前線を押し上げていることです。
実際に、沖縄は平年より13日早い梅雨明けとなりました。これは観測史上最も早い梅雨明けです。高気圧の勢力が強いため、北陸地方の梅雨明けも平年より早めの7月中旬頃と予想します。(平年は7月23日頃)
◆さっそく大雨に注意が必要
今後の天気の見通しです。12日、13日の県内は、雨が上がりそうです。ただ、週末は大雨に注意が必要です。
週末の14日、15日には前線が日本海に北上し、北陸付近に停滞。前線の活動が活発になります。災害が発生する大雨の目安は▼1時間に30ミリ以上の激しい雨▼降り出しからの総雨量が100ミリ以上、です。
週末、このような雨が県内どこで降ってもおかしくありません。今後の情報に注意し、大雨への備えを確認しておきましょう。