裁判のやり直し=再審の制度を見直す刑事訴訟法の改正について法務省は7日、再審開始決定を取り消す検察の「抗告」を「原則禁止」とする修正案を自民党に提出しました。ただ、一部議員が求める「抗告」の「全面禁止」とはいまだ内容に隔たりがあり、再審制度の見直しには時間がかかりそうです。
13年前、検察の抗告により一度、再審開始決定が取り消されたことがある前川彰司さんは「再審に時間がかかるという問題は解消されない」と懸念を示しました。
7日に自民党本部で開かれた合同会議で法務省が提出した修正案では、再審開始決定を取り消すことができる検察の抗告について、「してはならない」との文言が追記されました。
ただ、今回の修正案では、十分な理由がある場合には「抗告」が例外的に認められることになっています。
この修正案について、福井市で起きた女子中学生殺人事件で13年前、検察の抗告により、一度再審が取り消された前川彰司さんは「せっかく再審の扉が開いても抗告できるということでは、再審公判に時間がかかることは解消されない現実がある」と訴えます。
さらに、抗告を原則禁止とした内容は、法律の実質的な定めが書かれている「本則」ではなく、それに付随する「付則」に盛り込まれたため、一部の議員からは「実効性が担保されない」と懸念の声が相次ぎました。
福井県選出の稲田朋美衆議院議員:
「付則で抗告を禁止していても、十分な理由がある場合は例外と書いているのであれば、努力義務ということで、全く一歩も進んでいない」
政府は、5月中旬に国会へ改正案を提出したい考えですが、今国会での提出は見通せない状況です。
一夜明け、福井市で起きた女子中学生殺人事件で13年前に検査の抗告により一度、再審が取り消された前川彰司さんは、今回の修正案について思いを述べました。
前川彰司さん:
「やはり妥協すべきではない。抗告は全面禁止でお願いしたい。合理的な疑いがあるからこそ再審開始決定が下されるわけで、検察はそれを超える程度の立証をして、正々堂々と裁判をしたらいいだけの話」
再審開始決定に対して、例外的に検察の抗告が認められる改正案。冤罪被害者を救済できる法改正となるのか、注目されます。