(5)相続放棄を行う
これまで述べた方法が難しい場合は(5)の実家を相続しない、つまり相続放棄する方法があります。放棄について注意したいのは、何といっても手続き期間です。相続を知ってから3カ月以内となっています。それも、親が住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に申請しないとなりません。

相続放棄を行った場合は、相続人でなかったとみなされます。つまり、預貯金だけを取得するといったことはできなくなりますので、その点も注意が必要です。
すべての遺産を放棄するのが難しい場合は、近年新設された「相続土地国庫帰属制度」の利用を検討します。名称に“相続土地”と入っているだけあって、あくまで土地が対象となります。つまり、建物がある場合は、解体して更地にする必要があります。解体費用は、相続人の負担となります。
それ以外にも、審査手数料や負担金が必要です。建物が立っていないこと以外にも、制度を利用するにあたり条件が事細かく定められています。
利用する際は、費用や条件をよく把握してから進めたいところです。
このように実家を相続した際は、相続人の間での調整や利用の仕方を巡って検討課題が多くのしかかってきます。
その中でも実家の相続に関して事前にできることはあります。