共有名義の売却の注意点

ただ、不動産において、共有名義には注意が必要です。というのも、共有にしてしまうと、共有者全員で売却していかなければなりません。

よくある事例が、兄弟や姉妹全員の共有となっている不動産で、いざ売却しようとしたら、名義人の1人である兄弟や姉妹が亡くなっているケースです。その方に相続が発生した以上、権利関係がその相続人に移っています。例えば、4分の1の持ち分があったとしても、その4分の1について相続登記をしないといけないのです。

共有不動産は放置すると関係者が増えてしまうことも(画像はイメージ)
共有不動産は放置すると関係者が増えてしまうことも(画像はイメージ)

このことは、共有となっている不動産をそのままにしていると、いつの間にか関係者が増えてしまうことを意味します。いざ不動産を動かそうとしても、なかなか手がつけられなくなっているケースが多く報告されているのが昨今の現状です。

「代償分割」と「換価分割」

不動産を1人が相続するとなった際に、他の相続人が自分の取り分を主張することがあります。その際は、「代償分割」あるいは「換価(かんか)分割」という方法を取ることができます。

代償分割は、簡単に言うと、1人が不動産を取得する代わりに、他の相続人に金銭を渡す分割の方法です。換価分割は、実家を売却して現金化した後で相続人の間で分ける方法です。代償分割や換価分割を検討しながら、相続人の間で合意を取り売却まで持っていく方法を取ることもできます。

いずれにしても、不動産で収益を得たり、売却する際には、様々な税金が絡んできます。
後から“こんなはずじゃなかった”とならないように、事前に税務署や税理士に確認することが重要となります。