コメの価格高騰が続く中、麺の売れ行きが伸びています。主食にごはんの代わりに麺を選ぶ家庭も少なくないようで、福井市内の老舗の製麺所でも春頃から注文が増えています。
福井市にある製麺会社「日福製麺」は創業102年の老舗で、中華麺をはじめうどん、そばといった麺を製造しています。中でも春頃から特に注文が伸びてきているのが宅配用の食材キットに使われる麺です。
岩崎社長は「4月~5月は去年比2倍、6月に入り3倍に伸びている」と話します。
一般的な宅配の食材キットはメニューを選ぶとおかずの食材が届き、主食のごはんは各自で用意する必要があります。一方、麺を使ったメニューは麺も食材の一つとして届けられるため、主食がコメから麺へとシフトしているのではないかとみられています。
岩崎社長も「コメの高騰を受け、キットを注文する消費者たちがコメを使わず主食が取れる麺を使ったメニューを選ぶ傾向なのではないか」と話します。
また「ドラッグストアからの麺の注文も伸びている」といい、コメの価格高騰の影響からか小売り大型店からの発注も増加。
一方、なぜか給食用の麺の注文も伸び「5月中旬から下旬にかけて1.3倍~1.5倍の発注量になっている」といいます。
コメの価格高騰の影響なのか?イット!では納入先の一つ、越前市教育委員会を取材しました。
市教育委によりますと、越前市内の一部の中学校では給食に選択メニューを導入していて、麺を使ったメニューの発注が増えたからというのが理由でした。意図的に白ごはんの量を減らしたり麺のメニューを増やしたりはしていないといいます。
ただ、令和の米騒動は、製麺業界にとっては追い風となっているようです。