コメの価格高騰が続く中、政府が随意契約で放出した備蓄米の販売が福井県内でも8日から始まりました。
 
精米会社に到着してからわずか2日後に消費者の元へと届けられたということもあり、パッケージはとても簡素。店を運営する企業は「とにかく安く、早く県内の消費者へ提供するためだった」としています。
 
県内での“格安備蓄米”は6月中旬から販売が本格化する見通しです。


◆精米会社は通常の倍の業務量に

福井市の精米会社「福井精米」には7日、70トンの備蓄米が運び込まれました。2022年に生産された新潟県産の古古米で、随意契約により大手小売業者が購入したものです。県内の店舗での販売に向けて、精米から袋詰めまでがこの工場で行われました。
  
社員は「普段は60~70トン精米しているが、そこに備蓄米が70トン加わり倍の精米が作業になった」と話します。
 
この工場には今秋以降も複数の大手小売業者が随意契約で購入した備蓄米が運ばれる見通しです。普段の精米業務に加えて備蓄米の精米も行うことになり、土曜日や日曜日にも工場を稼働させる計画です。


◆ドラッグストアで30袋が店頭に

そして翌日の8日、県内のドラックストアで“格安備蓄米”の販売が始まりました。
   
坂井市に本社を置くドラッグストアのゲンキーは8日から、県内にある87の全店舗で随意契約で購入した備蓄米の販売をスタート。価格は税込みで10キロ4082円です。
  
永平寺町にある松岡店では30袋余りが用意され、訪れた客が「コメがなくなったのでちょうど良かったと買いにきた。」「安いと思う。主人が多く食べるのでコメは必要」とさっそく手に取っていました。
 
ゲンキーの藤永賢一社長は「やはり精米所の確保が最大のネック。業者からの納品の日程は決まってもどこでどれだけ精米するかが困難を極めた。今回、第一弾が来てほっとしている。今週中に残りの4県も販売開始していきたい」と話していました。
 
県内のゲンキーの店舗では8日に用意された10キロの1200袋が1日で完売していて、精米などの準備が整い次第、順次入荷する予定だとしています。

随意契約による備蓄米が加わることでコメ全体の価格は値下げへとつながるのでしょうか。藤永社長は「備蓄米が突破口となり以前の価格にもどることは難しい。5キロ3000円台と総理も言っているがそのあたりがバランスがいい。5キロ4000円は高すぎる」とします。
 
ゲンキーでは随意契約の備蓄米を6000トン確保していて、6月下旬にはスムーズな流通が確保できると見ています。

◆「下がって欲しい」「コメだけ上がらないのはおかしい」県民の声

佐々木拓哉アナウンサー:
「きのう県内での販売が始まった格安の備蓄米。県民の皆さんはどのように見ているのでしょうか」
 
県民は―
「安いですね。1回食べてみたいなとは思う」
「(コメの値段が)去年などと比べて倍くらいに上がっているから、できれば下がってほしい」
「コメを作っているから、私は高めだとは思っていない。何でも価格が上がっているのに、コメだけ上がらないというのはおかしな話」
「従来の価格が適正だったのか考えさせられる。ただ、高いと家計に影響はあるのでどうなるのか気になる」

◆プラントや平和堂でも中旬から販売予定

随意契約の備蓄米販売についてそのほかの県内のスーパーやドラッグストアに聞きました。
 
▼プラント
2021年度産の備蓄米を6月20日頃に全店で販売予定。価格は5キロで税抜き1800円前後の予定。
   
▼平和堂
2022年度産の備蓄米を6月中旬に販売予定。価格は5キロで税抜き1980円の予定。
 
▼コスモス
2022年度産の備蓄米を6月中旬に販売予定。価格は5キロで税抜き1833円の予定。
 
▼バロー
県外の店舗ではすでに販売を開始も、県内は準備が整い次第HPで公表予定。
  
▼クスリのアオキ、イオン
県内での販売は調整中で販売時期や価格は未定。

福井テレビ
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