デザインを学ぶ高校ならではの一味違った体育祭

体育祭の定番競技に白熱する生徒たち。
一方、こちらではキャンバスに先生の似顔絵を真剣に描く生徒。
デザインを学ぶ愛媛県立南高校砥部分校ならではの一味違った体育祭だ。

この学校では伝統の砥部焼からデジタル表現まで「デザイン」を専門に学んでいる。

県立高校の再編が進む中で伊予高校との統廃合が5年間猶予され、今年度からは全国の公立高校では珍しい「ゲームクリエーションコース」が新設された。

伝統の砥部焼からデジタル表現まで
伝統の砥部焼からデジタル表現まで
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生徒会体育部長の藤岡桃さん

体育部長・藤岡桃さん:
「(Q.砥部分校の体育祭の特徴は?)砥部分校には運動部がなくて、みんな身体能力が同じくらいなので、切磋琢磨して熱く戦えていると思います。」

学校で陶芸を学んでいる3年生の藤岡桃さん。

藤岡桃さん:
「生徒会のみんなで考えて、より楽しくなるものを何回も何回も考えました。」

藤岡さんは生徒会の体育部長として、今年の体育祭の統括を任されている。

藤岡桃さん:
「絵を描けるというのは、私たちの学校の得意な部分だと思うので、そこはしっかり残していきたいと思って残しています。」

今年の体育祭の統括を任されている
今年の体育祭の統括を任されている

絵の出来栄えを競う「似顔絵バトル」

体育祭の伝統競技の一つが、学年対抗で絵の出来栄えを競う「似顔絵バトル」。

これまでの「運動会」から名前を変え、藤岡さんらが考えた芸術分野の競技と融合した新たな「体育祭」に生まれ変わろうとしている。

「体育祭」に生まれ変わろうとしている
「体育祭」に生まれ変わろうとしている

勝っても驕らず負けても腐らず

そして本番。

藤岡桃さんの宣誓:
「勝っても驕らず負けても腐らず、仲間とともにこの一瞬を一生の思い出にできるよう、全力を尽くします!」

藤岡さんの宣誓で始まった今年の体育祭。熱中症対策で開催を9月から5月に変え、場所もグラウンドから体育館に変更した。

場所もグラウンドから体育館に変更
場所もグラウンドから体育館に変更

借り物競走ならぬ借り人競走

最初のプログラムは借り物競走ならぬ借り人競走。
藤岡さんら生徒会メンバー中心で考えた、今年からの新種目。

こちらも、藤岡さんらが考えた「縄奪い」。

藤岡桃さん:
「(Q縄奪いを採用した理由)生徒会で体育館で楽しくできる競技はなにかと考えた時に、綱引きができなくなってしまったので、代わりに縄奪いに決めました。」

「(Qやってみて?)体力全部使いました。」

「綱引き」ならぬ「縄奪い」
「綱引き」ならぬ「縄奪い」

似顔絵バトル

お待ちかねの伝統競技「似顔絵バトル」。各学年から2チームずつ、あわせて6チームが腕を競い合う。

運動能力とは違う「芸術力」が試される。

この3年生チームのお題は、来賓で来ていた砥部町の古谷町長!

運動能力とは違う「芸術力」
運動能力とは違う「芸術力」

古谷崇洋砥部町長

古谷崇洋砥部町長:
「写真撮られるとか動画撮られるのは慣れてますけど、似顔絵を描かれるのは慣れていないですからね。(Q.緊張しますか?)恥ずかしくなってきます。」

生徒が町長の似顔絵を描いていく。

生徒たち:
「意外とたれ目」
「めっちゃ良いめっちゃ良い」
「もっと笑ってください」

制限時間7分で描いた絵を先生たちが審査する。古谷町長を描いた3年生チームは惜しくも3位という結果に。

意外とたれ目
意外とたれ目

講評の先生

講評の先生:
「爽やかな雰囲気というのは伝わってくるのですが、これどう?輪郭に対して各パーツ小さすぎん?なにこれ?」

先生から辛口な講評を受けましたが…

古谷町長:
「確かに講評では3位でしたが、私の中ではダントツの1位ですね。」

描いた生徒:
「緊張しました。めちゃくちゃ。笑顔がすごい素敵だったんで、どうしても描きたくて描けて良かったです。顔に対してのパーツがちょっと小さかったので、もっと笑顔を強調できるようにしたいです。」

私の中ではダントツの1位
私の中ではダントツの1位

紅龍と白鵬

芸術力も競い合う体育祭。
紅龍と白鵬のグループごとに、会場に巨大パネルのイラストが掲げられていて、これも競技として採点される。

紅龍が手がけた縦3.6m横12.6mの巨大なパネル。
制作に4カ月もかかった力作だ。

生徒:
「特にこだわったのは女の子の表情です。パネル原案のとき、女の子の表情は無表情に近い表情をしていたが、それでは晴れの日というようり曇りに近い雰囲気となってしまったので、テーマの朝と晴れに相応しい穏やかで優しい表情に変更しました。」

テーマの朝と晴れに相応しい穏やかで優しい表情に
テーマの朝と晴れに相応しい穏やかで優しい表情に

新たに生まれ変わった体育祭

藤岡桃さん:
「一回やってみてダメなところとか、当日も前日も何個もダメなところが出てきて、何回も考え直すところが多くて、新しくなったので全部。私たち生徒会だけではなくて全校生徒、先生もみんな全部大変だったと思います。」

閉会式では、藤岡さんら生徒が一体となって、新たに生まれ変わった体育祭は無事大成功に終わった!

大成功!でも涙が止まりません
大成功!でも涙が止まりません

やりきった生徒たち

3年担任の先生:
「みんなの成長と、クラス暖かさをすごく感じて、本当に感動して。」

やりきった生徒たち。そして、先生の目にも涙があふれる。

藤岡桃さん:
「本当に良いものになったなって思います。今までの大変だったことも全部含めて、良い思い出となったなって感じました。」

全員で作り上げたこの体育祭の思い出から、今後は授業で生徒それぞれの個性を磨いて、砥部分校の青春はこれからも輝き続ける。

3年生全員で「青春にエール!」

青春にエール!
青春にエール!
テレビ愛媛
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