皆がカメラを構える中、登場したのは…万博で大人気となっているミャクミャク!
【ミャクミャクに会えた人】「感激です」
今や大人から…赤ちゃんまでトリコに!その人気は留まることを知らず…
【記者リポート】「こちらのお寺にはカラフルなあじさいがずらっと並んでいるのですが上から見ると…なんとミャクミャクになっているんです」
さらにはミャクミャクルームまで登場!?
当初は「気持ち悪い」との声も多かったミャクミャクがなぜ人気に?その謎に迫りました。
■ミャクミャクのくじに長蛇の列が
連日、大混雑となっている大阪・関西万博。取材をしていると、なぜかパビリオンではない場所に長蛇の列が!
(Qめちゃめちゃ並んでますが何に並んでいる?)
【並ぶ人】「ミャクミャクのくじ。1等狙いに来ました」
くじ引きノイズ皆さんのお目当ては、全長およそ80センチ、ミャクミャクの巨大ぬいぐるみが当たるくじ引き。
【スタッフ】「待ち時間2時間半か、3時間ほどでーす」
【来場者】「そんなかかるん!?「3時間!」
それでもなぜ人々は、並ぶのか!?
【並ぶ人】「しっぽがかわいいのと下半身がポテッとしているのがキュートすぎてやばい。前まではかわいくないなと思っていたけど、愛着沸いてかわいさ感じてます」
■厳しい声あったものの今は大人気「”キモかわいい”」
そう、ミャクミャクといえば3年前。
「公式キャラクターデザインはこちらの作品です!」
1900通近い応募から選ばれたものの、関西の人からは厳しい声が。大阪の街の人は…
【大阪の街の人】「うそやん!ふざけすぎやな」「好きじゃない。怖い」「きも、気持ち悪い」
今やそんな過去が「なかったこと」かのような人気ぶりに。
(Qどういう所が好き?)
【来場者】「奇抜なデザインが、気持ち悪いですけどなんか”キモかわいい”」
【来場者】「(万博に)入ったとたん変わります。それまではグッズなんかいらんわって言ってたけど帰りには買ってつけてます」
(Qミャクミャク好き?)
【来場者】「ミャクミャクさん大好きです。”ミャク様”と家では呼ばれています、様付けです。ミャクミャク手芸部っていうのがネットで流行ってまして自分で作ったんですけど」
(Qミャクミャクはどんな存在?)
【来場者】「もう神ですね」
■ミャクミャクに囲まれて過ごせるコラボルーム 予約数が開幕後7倍に
ミャクミャクの快進撃は会場を飛び越えて…こちらはロボットがお出迎えしてくれる「変なホテル」。
【記者リポート】「入口にミャクミャクルームと書いてありますね。ベッドカバーにミャクミャク…見てください、部屋中がミャクミャクだらけです!」
色んなミャクミャクに囲まれて過ごせるこの部屋、万博開催期間限定の”コラボルーム”予約数が予約数がなんと!7倍になったそうです。
【ミャクミャク】「おもしろいね」
【HISホテルホールディングス宿泊事業部・増田誠輝部長】「大変ご好評いただいているので9月までほぼ満室となっております。もう今はミャクミャク様のおかげな感じです」
【ミャクミャク】「万博来てね」
■愛される「ゆるキャラ」の法則をミャクミャクは無視している
ミャクミャク「様」と呼ばれるほどの存在にまでなぜなれたのか。その謎をデザインの観点から解き明かそうと、取材班が向かったのは。
【嵯峨美術大学 安齋レオ准教授】「嵯峨美術大の安齋です」
キャラクターデザインの技術や理論を教える安齋レオ准教授の分析は?
【嵯峨美術大学 安齋レオ准教授】「いやもう、ぶっ飛んでいるなと思いました。公式が出すものはもっと万人受けするものでしょう」
安齋准教授によると、そもそも愛される「ゆるキャラ」の法則は、幼児体型で目が大きい、「赤ちゃん」のようなデザインであること。ミャクミャクはこの常識を「ぶっ壊した」といいます。
【安齋レオ准教授】「子猫とか子犬とか小さいものに対して無条件で愛情が湧く。ミャクミャクはそれを無視しているわけです。目が5つあったり口が目の真ん中にあったり。15年20年前だと妖怪というか、敵役の悪魔的キャラクターですよね」
■批判的な意見がSNSで大拡散 ミャクミャクが認識され「かわいい」印象も広がりやすく
当初、人々が気持ち悪いと受け止めたのは当然のこと。
しかし、現代においては、逆にこれが人気に火がつく最大のポイントになったと指摘します。
【安斎レオ准教授】「王道じゃないがゆえにやっぱり今SNSとかネットではネガティブなものって拡散されやすい。炎上というか、今のSNSの拡散される情報にはまっていると思いますね」
つまり当初批判的な意見がSNSで大拡散したことで、多くの人がミャクミャクを認識したため、その後の「かわいい」という印象も広がりやすかったのです。
【安斎レオ准教授】「これだけ大きなイベントでこんな変わったキャラで出てきたのは僕生まれて初めて見ました。キャラクターのルネッサンスであり、このキャラが1ついたことで今後の日本のキャラクターづくりが大きく変わると思います」
■ミズノが手掛けたミャクミャクデザインの靴 開幕直後に売り切れる人気商品に
専門家すら予想外の展開をたどっているミャクミャク。
しかしその魅力を当初から見抜き、大ヒット商品につなげた人も。
【ミズノ ライフ&ヘルスマーケティング部 杉浦里佳課長】「SNSの反響がというところがかなりすごくて」
スポーツ用品大手「ミズノ」の杉浦里佳さん。手掛けたのは、奇抜なミャクミャクデザインの靴。
杉浦さんは「ミャクミャクが靴の凸凹とマッチする」とひらめきましたが社内では否定的な意見が半分ほど。しかし企画チームでは、意見を変えずおととし秋にはすでにこのデザインに固めていました。
そして開幕直後にすべて売り切れるほどの人気商品に!
【ミズノ ライフ&ヘルスマーケティング部 杉浦里佳課長】インパクトの部分は狙い通りかもしれないなと思うんですけど、反響に関しては想定以上。我々にとって(ミャクミャクは)ありがたい存在です」
■ミャクミャク御朱印帳 ぶっちぎりのナンバーワン売り上げに
こちらの男性もミャクミャクの未来を見抜いていたうちの一人。手掛けたのは、御朱印帳です。
【早和製本株式会社・津岡正男御朱印帳担当取締役】「(社内外から)ボロカスでしたよ。『買う人いない、また在庫なるわ』って。神社持って行ったら神社に怒られるでみたいな」
この会社では、月に100冊売れればヒットとされる御朱印帳ですが、ミャクミャク効果は…
【早和製本株式会社・津岡正男御朱印帳担当取締役】「ぶっちぎりのナンバーワン!2カ月経ってないのに7000強ぐらい売れていて、そんなに売れることはまずないですわ。体験してない数なので」
ミャクミャク本人は、この人気ぶりをどう思っているのでしょうか。
【記者】「今の気持ちを体で表現してもらっていいですか?」
(ミャクミャクが手足をぶんぶんとジェスチャー)
【記者】「嬉しそうですね」
前評判を覆すミャクミャクの人気が万博を勢いづけていることは間違いなさそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月6日放送)