京都にある「おもちゃの病院」は、月に一度だけ開院し、壊れたおもちゃを修理する場所です。
ここで行われる修理は、まるでおもちゃに命を吹き込むかのようです。
■月1回の奇跡…子どもたちの涙を笑顔に変える「おもちゃの病院」
「おもちゃの病院」は、壊れたおもちゃを修理する場所として、多くの親子に親しまれています。
この病院は月に一度だけ開院し、ボランティアのドクターたちが無償で修理を行います。修理費は無料ですが、部品代がかかることもあります。
それでも、多くの親子がこの病院に訪れ、修理されたおもちゃを手にすることで笑顔を取り戻しています。
■引退後に見つけた「天職」…孫の一言で始めた”おもちゃドクター”
この病院を始めたのは、72歳の木村作彦さんです。木村さんは消防署長を務めた経験があり、電子工作が趣味です。
病院を始めるきっかけとなったのは、孫の麻ちゃん(6)の一言でした。壊れたデジタルカメラを修理した際、「じっちゃんお医者さんみたい!」と言われたことが、木村さんの心に深く響いたのです。
【木村作彦さん】「もうあかんと思ってたやつが直った。また使えるのはうれしいなと。そういう喜ぶ顔を見たいがために、思い浮かべながら頑張って修理してるんです」
■「ちょっと考えさせてください」72歳おもちゃドクターの診察室
ある日、古いパチンコのおもちゃが持ち込まれました。
【木村作彦さん】「これが割れてるんです。割れてからこれ(ハンドル)ができひん。ちょっと考えさせてください」
その場で修理が難しいおもちゃは家に持ち帰り、じっくりと”治療”します。
■「意味わからんのに、直せるの不思議!」おもちゃドクターに最高の”ありがとう”
修理が終わり、おもちゃが再び動き出すと、子どもたちの笑顔が溢れます。
【女の子】「うれしい。見てても意味わからんのに、お医者さんたちがわかって、直ってくれたのがすごかった」
子どもたちは感謝の気持ちを伝えます。
■おもちゃの向こうに見つけた宝物 笑顔を守り続ける”現代の魔法使いたち”の願い
【木村作彦さん】「おもちゃを大事に使うとか、心が豊かになるように望みます。いける範囲で続けられたらいいかなと、趣味の一環でもあるのでね」
木村さんの活動は、単におもちゃを修理するだけでなく、モノを大事にする心を育む場を提供しています。
木村さんをはじめとするボランティアのドクターたちは、これからも子どもたちの笑顔を守るために活動を続けていきます。
壊れたおもちゃに命を吹き込む木村さんのたちの活動は、「現代の魔法」と言えるかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」2025年6月3日放送)