行方不明者の捜索や災害時の救助活動など、様々な場面で活躍する警察犬。
大分県警では2024年11月から2匹の警察犬の訓練を行っています。
今回、その訓練を取材しました。
頭が良く冷静沈着。時々甘えん坊のジャーマン・シェパードのメス「アロー号」。
好奇心旺盛で人懐っこいラブラドール・レトリバーのオス「ロッキー号」。
2匹は、県警が直接訓練や飼育をする初めての「直轄警察犬」で、訓練を経て、2025年3月に現場デビュー。これまでに3回、行方不明者の捜索現場に出動しています。
嘱託警察犬の競技会の様子県内ではこれまで、すべて民間の指導士が飼育と訓練を担う嘱託警察犬でした。
しかし、指導士の高齢化が進み、出動要請への対応が課題となっていました。
一方で、警察犬の出動要請は減少せず、むしろ認知症の高齢者の捜索が増えるなど緊急性が高まっています。
こうした問題を解消するため、県警は2024年11月、新しく犬舎を建てて直轄方式を始めました。
訓練は毎日朝夕2回、30分から1時間程度行います。
取材したこの日に行ったのは人のにおいをかぎ分けて居場所を突き止める捜索救助訓練。
◆TOS刀祢優月アナウンサー
「今からロッキー号君に探してもらう。段ボールをかぶせてもらう」
準備万端のロッキー、捜索開始です。
段ボールは全部で6つ、大きさも様々です。勢い良く走り出すロッキー。なんと14秒で探し当てました。
◆鑑識課警察犬係技術職員・高野羽瑠菜さん
「(ロッキーは)これをやるといったときのやる気は誰にも負けないと思う。落ち着きが足りないところがあるのでしっかりと落ち着いて作業をひとつひとつ慎重にできるようになってくれれば」
アローも負けていません。
行方不明者の足跡をたどる訓練では、においの付いた小さな布を広い草むらの中からすぐに探し出していました。
アローのパートナー、三重野巡査部長は警視庁に派遣され、警察犬の訓練技術を身につけたそうです。
◆鑑識課警察犬主任巡査部長・三重野剛是さん
「物静かな犬なんですけどたまに甘えてなでてってゴロンとしてくることがある。そういう時はかわいいなと思う。人犬一体という形で互いの意思疎通が一番大事だと思うので、そこをまず一番に考えながら現場で活躍できるように普段の訓練を頑張りたい」
パートナーと日々訓練に取り組むアローとロッキー。2組の挑戦は始まったばかりです。