福井駅周辺では毎年、大量の放置自転車が発生し、市による撤去作業が恒例となっています。こうした放置自転車はどこへ行き、どうなるのか?市の撤去作業に密着し追跡取材しました。
       
福井駅北側にある福井市の駐輪場です。

福山千奈アナウンサー:
「いま撤去作業が始まりました。札が付いた自転車が次々とトラックに積まれていきます」
 
トラックに積み込まれているのは、何らかの理由で持ち主が一定期間取りに来られなかった、いわゆる放置自転車です。
 
福井市は駐輪スペースを確保するため、毎年3月下旬に高架下の駐輪場にあるすべての自転車に、放置する場合は撤去することを知らせる注意札を取り付けます。そして6月になっても注意札が付いたままのものは、放置自転車とみなして撤去することにしています。
  
5日に撤去された台数は205台。2台のトラックが市内にある保管場所との間を18往復して運び出した費用は約35万円です。
  
盗難防止を理由に、周囲を映さない条件で市が保管所の撮影を認めてくれました。保管所には、市内全域から撤去されてきた自転車がきれいに並べられて保管されていました。その数は400台に上ります。
 
福山千奈アナウンサー:
「トラックで撤去された自転車はこちらに集められています。中には、このように錆もなく、チェーンもそのまま綺麗でまだまだ使えそうな自転車もあります」
 
福井市の職員は「年々減ってはいるが、それでもこれだけ集まってくる」と、ため息をつきます。福井市が撤去した放置自転車の台数は、過去5年間で多い年には800台を超えています。
    
市によると、防犯登録されている自転車は持ち主に取りに来るよう連絡しますが、2024年度に持ち主の元に戻った台数は、撤去した497台のうち60台と約1割にとどまっています。
  
状態の良いものは公民館や小学校などに寄付して再利用し、状態の悪いものは廃棄処分するということです。では、なぜ放置自転車はなくならないのでしょうか。
  
市はその理由について、進学や就職で生活が変わる年度替わりに、使わなくなった自転車を駐輪場などに放置していく人が多いのではないかと説明します。「本当に利用したい人が使えないのは困る。駐輪場をゴミ箱のように使うのではなく自分のいらなくなった自転車は自分で処分してほしい」
    
放置自転車は、自転車盗難の温床になったり街の美観を損ねたりといった問題にも
つながっています。1人1人のモラルが問われています。 

※2025年6月6日午前9時半に情報を更新しました。

福井テレビ
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