5月27日から鹿児島・宮崎両県のファミリーマート390店舗で、「鹿屋市フェア」が始まった。鹿児島・鹿屋市の特産品をコンビニグルメでＰＲしようというこの企画、地元の高校生が考案したスイーツもあり、人気を呼んでいるようだ。
鹿屋自慢のおいしいものがコンビニに スイーツ発案の高校生も感動
「やば～」「この光景見るだけで感動する～」
スイーツ売り場の前で、パティシエ姿の女子高校生2人が思わず拍手し、うれしそうな表情を見せた。
2人は、地元の鹿屋中央高校の生徒。鹿屋市では2025年1月、高校生によるサツマイモのオリジナルスイーツコンテストを実施。同校の作品が「南九州ファミリーマート賞」に輝いた。その作品をもとに商品化されたのがこちら。
◆紅はるかと辺塚だいだいのムース～ケーキ仕立て～（鹿屋中央高校監修） 348円（税込）
鹿屋で多く生産されるサツマイモの「紅はるか」と、こちらも地元の希少なかんきつ類「辺塚だいだい」を使用したムース。この日初めて商品が並ぶ様子を見た高校生は、「辺塚だいだいの酸味と、紅はるかの甘みの配合がポイントです。甘みに酸味を加えることで、大人の方でも楽しめるスイーツになっています。」と、目を輝かせて説明してくれた。
すると早速買い求める男性客の姿が。「娘がここの高校に行っていて。発売日だったので、どんなものか気になって。」とコラボスイーツを手に取り笑顔を見せた。
別の女性客も「おいしそうですね。」と、買い物かごに入れた商品に目をやるとにっこりほほ笑んだ。
この店舗では初日の売れ行きに期待し、発注上限を大きく上回る148個を入荷していたが、予想以上に好評で、他店舗から提供してもらうなどして、最終的に173個を完売した。
農畜産業が盛んで上質な食材が豊富な街・鹿屋
鹿児島・大隅半島中央部に位置する、人口9万7000人ほどの鹿屋市。農畜産業が盛んで、サツマイモ（紅はるか）や焼酎、深蒸し茶など、特産品が豊富。中でも、肉用牛や豚、カンパチは、国内トップクラスの産出額を誇る。
今回の「鹿屋市フェア」は、おいしいものがたくさんある鹿屋で、まだＰＲが行き届いていない特産品の販路拡大につなげようと、南九州ファミリーマートと鹿屋市が初めてコラボした企画。鹿屋市の担当者は「豊富な農林水産物を使った商品を皆さんに届けることで、鹿屋市の魅力を消費者に届けたい」と期待を寄せた。
南九州ファミリーマートの「鹿屋市フェア」。高校生発案のスイーツ以外にこんなグルメが楽しめる。
◆鹿屋南高梅使用梅おむすび 158円（税込）
鹿屋の隠れた特産品、南高梅は、道の駅でも人気商品のひとつといわれる。一番おいしい塩分といわれる13%で漬けた「かのや南高梅」の入ったシンプルな三角のおにぎり。中にきれいなサーモンピンクの梅肉がたっぷり入っている。
◆鹿屋南高梅使用冷し梅おろしうどん 430円（税込）
こちらも「かのや南高梅」が使われている。鹿児島ならではの甘い味付けのつゆが梅の酸味を引き立て、ジメジメする梅雨でもさっぱりといただけそうだ。
◆ごちむすび かのやカンパチ使用カンパチの塩焼き 248円（税込）
鹿屋特産の海産物に「かのやカンパチ」がある。鹿屋市漁協が約半世紀かけて育て上げた県認定のブランド魚の塩焼きが具材に。レモン果汁が隠し味となっている。
◆豚バラ丼 698円（税込）
地元の鹿屋市民に愛されている老舗焼肉店「焼肉陣力」が監修した、鹿屋のご当地グルメ「豚ばら丼」。店自慢のタレに近づけるため、何度も作り直したという。
◆鹿屋海軍航空カレーパン 158円（税込）
鹿屋市民に親しまれている伝統の味「鹿屋海軍航空カレー」がベース。こんがり揚がったパンの中に、鹿児島県産黒豚の味わいを楽しめるカレーがぎっしりと入っている。
地元の「ＰＲ特命係長」も宣伝に一役
フェアの初日、取材した店舗に、一度見たら忘れられないルックスの“一日店長”が登場した。
直角に両足を開き、背筋はピン！磨き上げられた革靴が決まってる！！そして頭はカンパチ！ その正体は「かのやカンパチロウ」。鹿屋市ＰＲ特命係長として様々なイベントなどで鹿屋市のＰＲを頑張っている。この日も「ぜひ多くの皆様に、鹿屋市の食の魅力を楽しんでいただけますと幸いでギョざいますギョ♪」と、初めてのフェアをアピールしていた。
「鹿屋市の魅力再発見のきっかけに」担当者が狙い語る
これまでも地域の特産品を生かした商品や、地元百貨店や学校などとコラボした商品を展開してきた南九州ファミリーマート。広報担当の田之上祐成さんは「鹿屋市には魅力的な商品や特産品がいっぱいあるが、まだ認知度が高くないものも多いのでは？」とした上で「今回の商品を食べて鹿屋市の魅力を再発見してもらい、足を運んでもらうきっかけにしてほしい」と話した。
「鹿屋市フェア」は、6月23日まで鹿児島・宮崎のファミリーマート、390店舗で開かれる予定だ。鹿屋市のおいしい食材を気軽に楽しんでみてはいかがだろうか。
（鹿児島テレビ）
