戦後80年の節目にあたり、天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、住民を巻き込む激しい地上戦が行われた沖縄を訪問されています。天皇ご一家は、沖縄戦最後の激戦地、糸満市摩文仁を訪れ、戦争体験者や遺族と懇談されました。
天皇皇后両陛下と愛子さまは4日午後3時半過ぎ、「平和の礎」を訪問されました。
沖縄戦の犠牲者など24万人の名前が刻まれた平和の礎を天皇陛下が訪問されるのは2022年以来で、愛子さまは2025年が初めての訪問となります。
2025年に342人が追加刻銘されたことなどについて説明を受けた天皇陛下は、戦艦大和の乗組員の名前が多かったことについて「ご子息の方が申請されたのですか」などと質問されたということです。
また、これに先立ち、国立沖縄戦没者墓苑では沖縄戦の遺族が立ち会う中、両陛下と愛子さまは献花台に白い花束を手向け深く拝礼されました。
また、遺族に歩み寄り1人ひとり声をかけられました。
与那原町遺族会会長 知念勇吉さん(79):
大変でしたねと。平和というものがどれだけ尊いものであるかと同時に、心に残っている傷は絶対に消えない
新垣生雄さん(84):
日本をはじめ全世界が平和であることを、お力添えをお願いしますということで話は終わった。会釈をされて、分かりましたということではないでしょうか。愛子さまは、これからも遺族会についても頑張ってくださいというお言葉でした
両陛下と愛子さまは沖縄県平和祈念資料館を見学されました。
この中で愛子さまは沖縄戦を生き延びた人々の証言を読まれました。
極限状態の防空壕のなかで、大きな声をあげてしまう人を大人たちが窒息させたという当時14歳の証言に愛子さまは「生きていくため、すごく壮絶な・・」と言葉を失われる様子もありました。
愛子さま生きていくためにこういう選択をしなければいけないという心が痛むことだったと思います。
両陛下と愛子さまは、看護要員として軍と行動ともにし戦場を彷徨った翁長安子さんや、学徒隊として飛行場建設に駆り出された瀬名波榮喜さんとも懇談し、壮絶な戦争の記憶に家族で向き合われました。