かつての宿場町のたたずまいを残す若狭町の熊川宿。そんな歴史ある場所で観光客にモダンな音楽とコーヒーを楽しんでもらおうと「ジャズ喫茶」がオープンしました。店主の男性は、将来は音楽だけでなく地域の情報を発信する場所を目指しています。
        
熊川宿にある古い蔵を改装しオープンしたジャズ喫茶「THEE・COFFEE」は、店内に印象的な赤いソファやテーブル、カウンター合わせて18席が用意されています。
  
マスターの中島祥さん(39)は、2月に若狭町に移住してきました。「熊川宿のいいところは非常に街並みが美しいこと。でもまだ観光化はされ切っていなくて美しい街並みが残っている。観光で来た人が日本の雰囲気を味わうにはいいところ」と話します。
   
この店舗は、もともと東京の会社が運営する古民家カフェでしたが、本社で働いていた中島さんが独立しようとこの店を譲り受け、移住してきました。
  
中島さんは、過去に音楽関係の仕事に携わっていた経験からジャズ喫茶を選びました。こだわりはメニューにも。若狭町の瓜割の滝の水で抽出したコーヒーや、越廼ルビーやケールなど、地元の野菜を使ったオリジナルカレーを提供します。目標は「食べ物や生産者とつなげて、少しずつ地域のものを紹介していけるようなジャズ喫茶になっていきたい」とします。
  
若狭町と京都をつなぐ「鯖街道」の宿場町として栄えてきた熊川宿。古い街並みは若狭を代表する観光地の一つですが、住民の高齢化が進み空き家の数も目立ってきました。
  
ただ、この魅力ある地域を残していこうという動きも出始めています。2018年に古民家がシェアオフィスに改修されたことをきっかけに、宿泊施設やカフェなどの開業が相次いでいます。
  
若狭町は「熊川宿は地域活性化の中心となる場所なので、地元の住民や民間の事業者と連携して盛り上げていきたい」としています。

福井テレビ
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