大分県佐伯市に、この春、社会人の硬式野球チームが発足しました。
社会人野球の最高峰・都市対抗野球大会を目指すチームを取材しました。
青いユニフォームに身を包み、グラウンドを駆け回る選手たち。
この春、佐伯市に発足した社会人の硬式野球チーム「佐伯市硬式野球団」です。
社会人野球の企業チームでは珍しく、中小企業12社が共同出資して運営しています。
選手24人のほぼ全員がこの春、大学を卒業した新社会人です。
◆選手
「出身は大阪府出身です」
「鹿児島で(大学)野球をやっていて、それで佐伯に来た」
そんなチームの中で数少ない県内出身なのが平井駿介選手です。
平井選手は佐伯市出身で佐伯鶴城高校を卒業後、岡山県の大学を経て入団しました。
◆佐伯市硬式野球団 平井駿介選手
「地元が佐伯市ということで監督さんにもお話をいただいてすごく魅力的だったので、この球団を選ばせてもらった。自分が出場して活躍してチームを盛り上げたり、そして佐伯市を盛り上げられたらいい」
そんな平井選手も普段は市内の建設会社・谷川建設工業で働いています。この日は先輩社員から指導を受けながら道路の測量作業を行いました。
現場の実際の測量作業や測量結果の計算まで覚えることは多くあります。
◆佐伯市硬式野球団 平井駿介選手
「なかなか慣れないですけど、周りの方々がとても優しいのでとてもやりやすい環境」
チームの選手は、午前中はそれぞれ勤務する企業で仕事を行い、午後からは野球に打ち込みます。
◆職場の先輩は
「(現場で)率先して動いてくれて、声も大きく測量してくれるのでとても頼りになる」
そんな選手たちは5月末、佐伯市内の専門学校で4日間の新人研修を受け、社会人としてのスキルを学びました。こうした形でチームは野球選手としてだけではなく社会人としての育成にも力を入れています。
チームの代表兼監督を務めるのが佐伯市出身の高司健司さんです。
かつて勤務していた兵庫県警で社会人野球のチームを立ち上げた経験がありました。
この春に古里で野球チームを立ち上げた背景には人材不足に悩む地元企業の声がありました。
◆佐伯市硬式野球団 高司健司監督
「企業の社長さんと話す中でなかなか新卒が採れないので、佐伯で(チームが)できればそういう若者が集まる」
全国から集まった若者は野球を続けられると同時に、引退後も企業で働くことができます。そうした環境を作ることで高司さんは古里を盛り上げていきたいと話します。
◆佐伯市硬式野球団 高司健司監督
「まずは都市対抗野球大会、日本選手権(に出る)。しっかりと企業人としても野球をしながら、しっかりと戦力になるようにそういったチームを作っていきたい」
佐伯から全国へ…夢を追う若者たちの挑戦は始まったばかりです。