富山県南砺市城端に、大正13年の創刊から100年を超える地域新聞があります。

「城端時報」

戦前、戦中、戦後、その時代、時代を記してきた「小さな新聞」

その信条は、一貫して「地域のために…」戦後80年のいまも、その「営み」が続いています。
         
山あいの小さな町に世紀を超えて続く新聞があります。

毎月、届けられる城端時報。発行部数は650部、年間購読料は1200円です。

*購読者  
「普通の新聞と違った味がある地元のニュースばかり出ている。子どものスポーツのでも、スキー大会で3位になった2位になった。そんなのも出ているから身近に感じる。普通の新聞に出てないようなのが出ているから」

毎月20日発行の両面刷りの紙面に地域のニュースが綴られています。

1924年、大正13年創刊。

それは大正デモクラシーのさなかでした。

紙面は、その時代、時代の町民の暮らしぶりを克明に伝えてきました。
     
新聞づくりのメンバーは創刊当時から互いを「同人」と呼びます。

現在、同人は9人。

水上成雄さん、城端時報社9代目代表です。

*城端時報社 同人 水上成雄代表
「城端時報に写真を載せている。その時、その時に合ったいい写真が撮れればボツになることも多いけど…」

*城端時報社 同人 水上成雄代表
「作文でないので、記事になるのだから、日とか場所とか人とか、どんな事があったかきちんと書かなければならないと思うし、地元の事ならば大事な事があると思う、知ってもらいたいこと、それを抜かさず、付け加えたり…」

*城端時報社 同人 松本久介さん
「南砺市の独特の問題を掘り下げて書こうかなと、第二弾なんです、先月号に続いて」

*城端時報社 同人 松本久介さん
「大丈夫かっていうタイトルにしたんですけど」

同人の一人、松本久介さん、社会の出来事を独自の視点で切るコラムを20年近く、書いてきました。

*松本久介さん
「関心を持った事というのは僕も一緒だし、読んでいる人たちもそうなんで、月一の新聞だけど、やっぱり1か月の間にものすごい世の中動くじゃないですか。そういうのも冒頭、少し書いてから、よしこれを書こうと思う本題に入る。みんな私が何を書くか、けっこう期待しているから(笑)ちょっとプレッシャーなんですけどね(笑)」
    
呉服店の三代目、清部一夫さんはおととし、同人になりました。

*城端時報社 同人 清部一夫さん
「3か月か4か月に1回、回ってくるんですよ、何を書けばいいのかなというのが何となく頭にあるんですけどたまたまこのタイミングでコマーシャルが出たので、それを書こうかなと思ってるんですけど」

城端でロケが行われたテレビコマーシャルを題材に取り上げました。

*城端時報社 同人 清部一夫さん
「床屋さんの空き店舗を探していたところにドンピシャで見つかったらしいんですよ。住んでいる我々ではとても気付かないような魅力を都会の人たちが教えてくれたみたいなことを書きたいなと思ってて、ちょっと生活感がある普通の街並みに魅力を感じてくださったのが嬉しくって。さぁ、どれだけハミ出るでしょうか、うわっ、めっちゃはみ出している(笑)これくらい削らんなんがですね、僕の文章、くどいんで、どうしたら読みやすくて伝わるかなというのは難しいですね」

*城端時報社 同人 税光詩子さん
「こんちは~」

*城端時報社 同人 永井良幸さん
「ご苦労さんで~す」

税光詩子さん、文章を整える校正を担当しています。

永井良幸さん、城端時報の編集者です。

*城端時報社 同人 永井良幸さん
「1面の一段からいきましょう」

*城端時報社 同人 税光詩子さん
「1面の『城端だより』からこれ、55名『だ』、『である』を『だ』」

*城端時報社 同人 永井良幸さん
「『だ』やな」

教員経験のある税光さん、分かりにくい文章や表現を指摘していきます。

*城端時報社 同人 税光詩子さん
「人権擁護委員は…」

*城端時報社 同人 永井良幸さん
「人権擁護委員は、やな」

*城端時報社 同人 税光詩子さん
「やっぱり、気持ち悪い文章だと嫌じゃないですか、印刷して配る以上は、ちゃんとしたものにしたいと思うのが普通だと思います」

*城端時報社 同人 永井良幸さん
「この字、間違っている、それ以上のものが絶対、この作業によって生まれてくると思います、自然と。やわらかい紙面になると言えばいいかね、それは商業新聞と違って城端時報独特のというのがあると私は思っております」

【後編に続きます】

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