岩手県内ではクマの目撃が相次いでいて、5月21日も釜石市で成獣のクマが市街地を逃げ回りました。
4月に県内でクマが目撃された件数は219件と4月としては最も多くなっています。
県内では4月以降、市街地も含めてクマの出没が相次いでいます。
5月21日は午後1時ごろから釜石市小佐野町の河川敷で、木の上にとどまるクマが目撃され市街地を逃げ回った後、山に帰ったとみられています。
県によりますと、4月に県に報告があったクマの目撃件数は219件で、前の年の同じ月を49件上回りました。
統計を始めた2012年以降で4月の目撃件数として過去最多となっています。
また4月1日から5月22日までにクマの被害にあった人は6人で、こちらも前の年の同じ時期に比べ倍に増えています。
年代は20代から70代で、いずれも山菜取り中に襲われたということです。
クマの目撃が増えている背景について、野生動物の生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんはクマの数が増えていることや生息する範囲が人の生活圏と重なってきたことを挙げています。
県は山に入る際は複数人で行動し、鈴など音の出るものを持つよう呼び掛けています。