種の保存をはかり将来的な繁殖を目指すため、鹿児島市の平川動物公園のオスのコアラ1匹が、23日、埼玉県の動物園へ「婿入り」することになりました。
最後の展示日となった22日は多くのファンが訪れ、別れを惜しんでいました。
中川雅温記者
「アサヒくんは平川動物公園で過ごす最後の1日を、多くのファンに囲まれながらのんびりと過ごしています」
「アサヒ」は平川動物公園生まれの2歳のオスで、繁殖のために23日、埼玉県こども動物自然公園へ旅立ちます。
アサヒはエサのユーカリをよく食べ、動き回るなど元気な姿が人気です。
最後の展示となった22日、午前9時の開園から県の内外から多くのファンが訪れ、別れの言葉を贈っていました。
家族で来園
「元気で頑張ってください」
東京から来園
「アサヒくんの子孫もどんどん続いてほしい。埼玉にも見に行きます。会いに行きます」
宮崎から来園
「アサヒファンです。最後の日を見送りに来ました。誰よりもユーカリを食べている姿がものすごくかわいい。大きくなっても変わらないところが好きなポイント。これからも変わらず元気でずっと食べ続けて、いつか家族に会わせてください!」
平川動物公園でも人気のコアラは、野生の生息数が減少し絶滅危惧種に指定されていて、動物園での繁殖がコアラの絶滅を防ぐために重要な取り組みになっています。
現在、日本で飼育されているコアラ57匹のうち、アサヒを含めて20匹が平川動物公園にいて、日本一の飼育数を誇ります。
飼育が始まった1984年以降、81匹が生まれるなど、繁殖に力を入れています。
今回の「婿入り」は種の保存を守る取り組みの一環で行われるもので、血縁を分散させて、より安定した繁殖を目指すために全国の7施設が協力します。
平川動物公園 コアラ担当飼育員・村上浩一主任
「動物園の役割の1つに種の保存がある。しっかりコアラが繁殖して未来に命をつなげる。コアラが置かれている生育環境について考えて知っていただく機会になれば」