JA「迅速な対応はしているが、時間がかかる」備蓄米 農家が気にしているのは“消費者の変化”

備蓄米の受け渡しに参加するJA全農おかやまに話を聞いた。JA全農おかやまの小原久典農産・園芸部部長によると「市場に備蓄米を有事の際以外に出すことが今までなかったので、一挙に放出されるということで、迅速な対応はしているが時間がかかる」という。

そもそも備蓄米とは政府が大規模な災害や、世界的な穀物不足などの有事の際に「コメの供給を安定させる」ためにあるもの。JAではこれまでに東日本大震災の時に、津波などの被害によってコメがなくなり、4万トン放出したことがあるものの、今回のようにコメの価格が高騰したことによる放出は過去に例がない。

そのうえで大量の備蓄米を全国に一斉に流通させようとすると大きく立ちはだかるのは人手不足やトラックドライバーの確保といった物流の課題も。すぐに届けられない状況のなかで「値段が上がると「コメ離れ」につながると生産者も危惧している。

「適正な価格で流通させることが一番良い」小原部長は、農家が気にしているのは価格高騰に伴う消費者の変化だという。

JA全農おかやま 小原久典農産・園芸部部長
JA全農おかやま 小原久典農産・園芸部部長