独自取材でニュースを深掘りするシンソウのコーナーです。コメの価格高騰が叫ばれる中、岡山県内で相次ぐコメの盗難事件。その犯行の手口とすぐ行うべき対策を取材しました。

岡山市南区に広がる田園地帯。コメ農家の納屋にある貯蔵庫を開けてもらうと…

(被害に遭った農家は…)
Q:どのくらい入っていた?
「30キロが10袋」

盗まれたのは30キロ入りのコメ袋、10袋全て。貯蔵庫には他にも野菜などを入れていましたが盗まれたのはコメのみでした。

4月16日、農家の男性が気付き、すぐに警察に通報しましたが、犯人は未だ捕まっていません。

(農家の男性)
「今まで60年農家をしてきたが、こんなことになるとは。ショック、ショック」

盗難事件の背景には「コメの価格高騰」があると見られています。岡山県警によりますと県内の農家で被害が出始めたのは2024年11月、価格が約1.5倍に高騰した時期でした。そこからの半年間で少なくとも7件発生していて、高騰前の2023年の1年間の件数を大きく上回っています。

被害は笠岡市や真庭市など県内全域に広がり、警察は価格高騰に伴う転売目的の可能性が高いと見ています。

(岡山県警生活安全企画課 松下一行犯罪抑止対策室長)
「自分で食べるために(盗んだ) と考えられる。最近ではインターネットのサイトなどを利用して転売することも考えられる」

(被害に遭った農家は…)
Q.カギはかけていた?
「(カギは)かけていなかった」

警察によりますと、被害に遭った7件のうち6件は、コメの保管場所にカギをかけていませんでした。警察は窃盗事件として捜査を進めるとともに保管場所の施錠の徹底などを呼びかけています。

(岡山県警生活安全企画課 松下一行犯罪抑止対策室長)
「農作物を保管する場所はしっかりと施錠してほしい。センサーライトや防犯カメラの設置は防犯対策で有効な手段」

終わりが見えないコメの価格高騰。盗難被害も今後さらに拡大する可能性もあり、今すぐ対策を行うことが必要です。

岡山放送
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