山形県内の地方銀行2行が、2025年3月期決算を発表した。実質的に国の管理下に置かれていたきらやか銀行は、最終的な損益が前の年の244億円の赤字からV時回復し5億円の黒字に。山形銀行は、「減収増益」を発表した。

きらやか銀行「減収増益」で再建加速
きらやか銀行は5月13日に会見を開き、2024年度の決算が「減収増益」になったと発表した。
一般企業の売上高にあたる「経常収益」は170億8300万円で、前の年と比べ1億8800万円減り“減収”。
日銀の利上げに伴い貸出金の利息が増えた一方で、振込手数料といった役務取引などの利益が減ったのが要因。

そして注目されたのが最終的な利益にあたる「当期純利益」。
前の年、過去最大となる244億円の赤字だったが、今回は5億円の黒字で“増益”。前の年と比べ249億円余り増えV時回復を果たした。
前の年に計上した多額の与信関係費用や国債などの債権償還損などがなくなったことが要因。

きらやか銀行・西塚英樹頭取:
今季の黒字決算で最低限の課題はクリアしたところ。ようやくスタートラインに立った。まずはきらやか銀行の再建を加速させる。

2期ぶり配当復活で事実上の国有化解消へ
きらやか銀行と仙台銀行を傘下に持つ、じもとホールディングスには合わせて780億円の公的資金が注入されている。

2024年に大幅な赤字となり配当を見送ったことで、優先株を持つ国に63%の議決権が生じ、実質的に国の管理下に置かれていた。

しかし今回、ホールディングスも当期純利益が約16億と大幅な赤字から回復。2期ぶりに期末配当を復活させることになった。
これにより、事実上の国有化が解消されることになる。

きらやか銀行・西塚英樹頭取は、「公的資金の返済もあるので、復配をしないで内部留保を貯めるべきだという考えもあるが、やはり信用回復が最優先と考えているので復配という選択肢を選んだ」と語った。

山形銀行も「減収増益」
山形銀行も3月期の決算を報告し、一般企業の売上高にあたる「経常収益」は458億9900万円で、前の年と比べて27億円減少し“減収”。
有価証券の利息配当金が減ったことなどが要因だとしている。

そして、最終的な損益を示す「当期純利益」は、貸出金利の上昇などを受け経常利益が増えたことで39億2000万円の“増収”。
これは前の年と比べて17億8000万円あまり増えている。

山形銀行・佐藤英司頭取:
本決算は減収とはなりましたが、その要因は有価証券運用におけるオペレーションによるもので、貸出金利息や手数料収入などの本業利益が大きく向上したことから大幅な増益となりました。

(さくらんぼテレビ)