今なお続く沖縄の過重な基地負担について琉球大学の我部政明名誉教授は日米両政府による沖縄返還交渉の結果が”源流”だと指摘します。
沖縄の本土復帰を巡っては日米の間で、復帰後も県内にアメリカ軍基地を置き他国への出撃などを除き最大限の自由を認めることなどで合意しました。
国際政治学が専門で琉球大学の我部政明名誉教授は、当時、日本政府が掲げた「核抜き・本土並み」の実現のため日本側が譲歩したという見方を示します。
我部政明名誉教授:
日本側は核兵器を撤去してほしいという要望が第一にある。アメリカが気にしているのは核兵器のことではなくてこの基地をこれまで通り可能な限り変わらないように使いたい。基地の権利を維持したいというところが一番の目標になっているそうすると基地の権利というのは日本側から見ると問題にならないわけですよ
当時、恩納村や金武町などには核ミサイル「メースB」の基地があり政府は、沖縄の返還に伴い核兵器を撤去することと引き換えにアメリカ軍基地の継続使用を認めました。その一方で復帰後も緊急時には沖縄への核兵器の持ち込みを容認する日米の密約が交わされていたことも後に明らかとなりました。
我部政明名誉教授:
基地の自由な使用というのは通常兵器のみならず核兵器にも及ぶんだって言う話。核戦争のような事態が近づいてくれば通常兵器の枠がさらに核兵器まで拡大しますよという話
アメリカ統治下と変わらないような基地の運用を認めた当時の返還交渉は、今も続く沖縄の過重な基地負担の源流だと我部さんは指摘します。
我部政明名誉教授:
復帰する前のアメリカ統治下の時も米軍基地という現状を変えない現状を維持していくだというこという意味では佐藤総理当時のニクソン大統領にも共通した考えで利益を見出している
基地のない平和な沖縄を求めた当時の県民の声は、日米両政府に届かず53年が経過した今も広大なアメリカ軍基地が横たわっています。