14日午後4時すぎ、埼玉県三郷市で下校途中の小学生の列に車が突っ込み、男子児童4人がけがをしました。うち一人は足の骨を折る重傷です。
児童たちをひいた車両は、その後現場から走り去り、現在も逃走を続けています。

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現場近くに止まっていた車のドライブレコーダーが、逃走の瞬間を捉えていました。

事故直後、道路上に停車した1台のSUVタイプの車。

近くには、多くの小学生らが集まっています。そばでは、車から降りてきた黒い服の男が、児童らに謝るような仕草も…。

事故現場から逃げていく
事故現場から逃げていく

しかし次の瞬間、男たちは車に戻り、そのまま走り出しました。後方にいた車が異変を感じ、とっさに逃げた車の追跡を開始します。

逃走の瞬間を目撃 追いかけた車の運転手の妻:
結構、アクセルを強く踏んだ感じでブワー!と逃げていっちゃったんで、現場にいた小学生も「逃げた」とたぶん分かった。小学生ですら分かった逃げ方だと思います。

追跡した車の運転手は、逃げた車が左に曲がるのを確認し、その先にある幹線道路に向かうと予想し、直進します。

追いかけた車の運転手の妻:
「これ逃げるな」と思って、たぶん先回りじゃないですけど、あそこいったら、この道に出るなと思ったのか、(夫は)何も考えずに追いかけちゃったみたいなので。

幹線道路に合流したあと蛇行しセンターラインを超える、逃走車とみられる車両
幹線道路に合流したあと蛇行しセンターラインを超える、逃走車とみられる車両

事故現場に残った妻と「ナンバー控えた?」とハンズフリー機能で話しながら、幹線道路に合流してきた逃げた車と思われる車の後方を走る運転手。

しかし、逃走車はかなりのスピードを出していたのか徐々に距離が開いていきます。その後、通報とナンバープレートを撮影したことを確認して、運転手は追跡をやめました。

懸命に追いかけるも、距離は広まる一方
懸命に追いかけるも、距離は広まる一方

追いかけた車の運転手の妻:
(現場で)女性が110番通報してくれて、もう1人の方が写真でナンバーを撮ってあるということだったので、追いかける必要はないだろうと思って…危ない思いはしてほしくなかったので。
警察にも通報したし、写真も残っているから、追跡をやめてくれと(夫に)お願いしてやめてもらった感じです。

目撃者によると、車のナンバーは、現場の三郷市から近い川口市のもので、車種は外国メーカーのSUVタイプだったといいます。

「やっちゃったと軽い感じ」逃走理由とは?

事故を目撃した人によると、道路の両側に下校をしている児童がおり、その片方を大きくよけようとしたのか、そのまま真っすぐ反対側の児童の列に突っ込んだといいます。

けがをした男児らの前を歩いていた女子児童は、気づいた時には、事故が起きていたと話します。

ひかれた男子児童の前を歩いていた女子児童:
気づいたら後ろの男の子4人が、車が突っ込んできてひかれてて、すごい痛そうにしてて。捻挫したみたいな子がいて。(車から人が)降りてきて「ごめんね」って言ってすごい謝ってたんですけど。「ここは邪魔だから車移動するね」って言ったあとに逃げちゃって。

事故を目撃した人:
一瞬、外に降りてきて「大丈夫?」って感じで。「やっちゃったな」というヘラヘラしていた感じだったので。片言だったので、外国の方なのかなと。

追いかけた車の運転手の妻:
私、白いズボンの方には話しかけているんですけど、そこは全然、返事もしてもらえずに何も声も出さずに、うんともすんとも言わずに行ってしまいました。とにかくなんか、「やっちゃったな」という軽い感じで。

車から降りてきて児童に謝罪するもどこか軽い様子だったという男(画像右)
車から降りてきて児童に謝罪するもどこか軽い様子だったという男(画像右)

交通事故鑑定人の中島博史氏は、事故直前に車が“蛇行運転”をしていたことに触れ、逃走理由をこう推察します。

交通事故鑑定人 中島博史氏:
軽微な事故だからたいしたことがない、救護義務の重さというものを知らないために、たいしたことなさそうだからと勝手な判断をして、行ってしまったというパターンと、もうひとつは実況見分で警察官に調べられると何か不都合なことがある、例えば飲酒や薬物等を使用した状態で、蛇行してぶつかったのでバレるとまずいとか。
センターラインのない、広い道路ではないですが、幅4mくらいあって日本の車はほとんど幅2m以下なので、蛇行する必要もなく普通に道路の真ん中を走れば、対向車がいなければ子どもさんの多少の飛び出しがあっても安全に通行できるところで蛇行したというのは、運転技術が未熟か別の理由があったのか。
(「サン!シャイン」 5月15日放送)