価格が安定していることから「物価の優等生」と言われてきた卵。食べない日はありませんが、高値が続いています。
日本人が1人当たり年間300個以上食べている卵。
食卓には欠かせない「庶民の味方」その価格が高騰し続けています。
家計を直撃する卵の価格高騰

富山市のショッピングセンターでは12日、Mサイズの卵が1パック322円(税込)。
通常GW明けには、価格が下がる傾向にありますが今年は、全体で10円から20円値上がりしました。
自社の契約養鶏場から仕入れた卵はそれより安く販売していますが、それでも1年前に比べると50円ほど高くなっています。
*買い物客は
「最近高くなってる。(以前は)200円もしないくらい。地元の養鶏場の卵を買ったら400円、10個で。すごく高いけど毎日のように使うものだから」

「前よりちょっと高くなってる(家計は)大変」
「高い。でも仕方のないことなので。どうしても食べたくなるので高くても買うしかない」
依然続く卵の高値

おととしに続き、去年秋から今年初めにかけ鳥インフルエンザが相次いで発生、全国で930万羽あまりのニワトリが殺処分され、未だ卵の供給量が回復しないことが要因です。
おととしは、加工用としてブラジルから卵を輸入することで価格が抑えられましたが、今年は同じく鳥インフルエンザの発生で、卵不足に陥ったアメリカが輸入を急増させ、国内の卵の供給が落ち込んでいます。

これにより全国の卵の小売価格は先月、1パック当たり294円。(サイズ混合10個入り)
去年一時的に下落したものの再び値上がりし、ピークだったおととしに迫る高値となっています。(2023年7月:306円)
富山市で27年親しまれているまちの洋食店では


看板メニューは、ふわふわ卵が特徴のオムライスです。

*ブラッセリエ 本多卓也さん
「全部高い。コメからバター、生クリーム…」
コメ、乳製品、野菜などオムライスに使うすべての食材が値上がりし、店の経営に影響が出ています。
*ブラッセリエ 本多卓也さん
「もう勘弁してください」
県産の卵を仕入れ、1日におよそ200個を使用。物価高のなか、特に卵の価格は倍に跳ね上がり、今月50円から130円やむなくメニューの値上げに踏み切りました。

*ブラッセリエ 本多卓也さん
「いつまで上がってくるんかなって感じ。大変。めちゃめちゃ大変。丸々価格転嫁するわけにいかない」
飲食店を苦しめる卵の高騰。
この店では、客離れを防ごうと実質値下げする形でオムライスを提供するため、コロナ禍に取りやめたランチセットを復活させました。
*ブラッセリエ 本多卓也さん
「世の中、値上げ値上げって大変。ちょっとぐらい値下げって聞きたくないですか?僕たちが(値上がり分を)飲むしかない。頑張ります」
県内でおよそ6万羽のニワトリを飼育する生産者は…

値上がりが続く卵…。
*仁光園 島哲哉社長
「1月に集中して(鳥インフルエンザが)発生しているので、そこに鶏を導入するのに半年くらい必要。夏頃、早くて6月7月くらいになればもう少し下がってくると思う」
さらに、この春、孵化したヒナが育ち卵を産む秋ごろには供給量が増える見通しで、価格は徐々に落ち着くとみられます。
しかし、飼料価格の高騰、燃料高など生産者の苦悩は続いています。
*仁光園 島哲哉社長
「我々の経営としては非常に厳しい状態。これからも買って応援していただけたら」