物価高騰が続く中、浴槽がない“浴槽レス物件”が人気を集めている。その訳を取材すると見えてきたのは、“タイパ”と“コスパ”だったーー。

“浴槽レス物件”内見に来た男性「掃除めんどくさい」

止まらない物価高の中、拡大し始めているというのが“浴槽レス物件”。なぜシャワーだけの物件に人気が集まっているのか。「イット!」は内見の様子を取材した。

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不動産スタッフ:
こちらがシャワールームです。

内見に来た男性:
こういう感じなんですね!人1人分ちょうどくらいですね。
でも十分ですね!めっちゃいいですね。

内見に来た男性:
(浴槽)使わないですね。掃除めんどくさいんですよね。
お湯張ったりも時間かかるし、掃除するとかでも浴槽広くなっちゃうと、やること多すぎて時間とられちゃう。

浴槽の掃除の手間が省けるということで、時間を有効活用でき“タイパ”に優れた“浴槽レス物件”。

内見に来た男性:
全然十分だなって理想的だなって正直思っちゃって見てるんで。
これも本当、自分さえ気に入ればみたいな感じ。

タイパだけでなく水道代と家賃ダウンでコスパも優良

さらにその魅力は、タイパだけにとどまらないという。

株式会社シノケンファシリティーズ・小曽戸芳光さん:
お客さまからは都心部に住めて賃料が安い、白を基調としたお部屋がおしゃれといった声をいただいております。水道代、家賃が抑えられるという理由で人気が上がっております。

タイパだけでなく水道代も抑えられ、コスパも良し。
さらに、浴室分のスペースを他の部分に充てることで部屋の広さを確保できるという。

こちらの不動産会社では2012年から”浴槽レス物件”を扱い始め、その数は右肩上がり。
現在、物件数は1万戸以上にわたるが、その入居率は98%に至るという。

その“浴槽レス物件”で暮らす男性に、その生活の様子を伺うことができた。

IT企業に勤める28歳の溝望さんが暮らす部屋はロフトもついて広さは約8畳。
東京・下高井戸駅から約5分で家賃は、管理費込み約7万円。

フルリモートで働くためコンパクトでも住みやすいこのマンションに決めたという。

北海道出身だという溝さんが、”浴槽レス物件”を選んだ理由について「北海道だったら浴槽ほしいと思ってたんですが、東京暑いじゃないですか。だから浴槽に入らないなと」と話す。

一方で少し困ることもあるという。

“浴槽レス物件”に住む溝望さん:
歯磨きとかするのもここ(キッチン横のシンク)なんですよ。ないんですよ!洗面台が!シャワー入る時に「バスタオルどこに置いとくの?」ってなったら、ここ(ガスコンロの上)に置くしかないんですよ。

そんな溝さんもどうしても、お風呂に入りたくなる時もあるという。

“浴槽レス物件”に住む溝望さん:
友達の家に行きます(笑)。
銭湯だと落ち着かないのもあって、1人で入りたいから友達の家ですね。
何か理由をつけていきますね。「タコパしない?」とか、泊まるついでにお風呂借りる。計算通り!

注目が高まる“浴槽レス物件”。
この不動産会社は今後も取り扱う物件を増やしていく方針だという。
(「イット!」 5月13日放送)

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