9日、和歌山刑務所で勤務をしていた刑務官が、窃盗の疑いで逮捕された。
盗まれたのは・・なんと、ティファニーの高級指輪。刑務所の中で、一体何が起きたのだろうか。

■受刑者の持ち物“ティファニーの指輪”を刑務官が盗んだ疑い
記者リポート:こちら、和歌山刑務所で刑務官を務めていた男が、受刑者の預けていたものを盗んだ疑いで逮捕されました。
8日、逮捕された本田明士容疑者(60)。
ことし3月まで和歌山刑務所で刑務官として勤務していた。
本田容疑者が盗んだ疑いが持たれているのが・・受刑者から預かったティファニーの指輪。
警察によると、ことし2月、受刑者が出所する際に、時価70万円相当のティファニーの指輪が金庫からなくなっていることが明らかに。
当時の勤務状況などから、本田容疑者の関与が浮上したということだ。

■受刑者の持ち物 減っていても指摘しづらい「不利益を被る」
受刑者の財産が盗まれるという異例の窃盗事件は、なぜ起きたのか。
去年まで、関西にある刑務所で服役していた男性に話を聞くと、「受刑者の持ち物」の管理のあり方について、こんな話が。
去年まで服役していた男性(30代):逮捕された段階で、警察の留置官に所持品を全て検査されて、時計・財布・携帯・お金にかかわるものは記録を帳簿に残して管理される。
(Q.何か書かされる?)
去年まで服役していた男性(30代):リストをあげてもらえるので。
(Q.リスト化されたものをチェックする?)
去年まで服役していた男性(30代):そうですね。
一方で、仮に服役中、持ち物が減っていると思っても、指摘をしづらい雰囲気を感じたと言う。
去年まで服役していた男性(30代):(刑務官に)強く言ってしまうと、不利益を被るんですよね。刑務官の不興を買うと、生活しにくくなる。

■容疑者の役職に注目 自己の立場を利用して犯行か
また、過去に和歌山刑務所で刑務官を務めていた書家の女性は、本田容疑者の“役職”に注目。
元刑務官 山内美鳳さん:(倉庫の)鍵のありかももちろん、会計課長でしたら把握しているはずです。
本田容疑者の当時の役職は会計課長。刑務官の中でも幹部となる「看守長」の立場だった。
所員の中でも限られた、「金庫をあけられる」権限を持っていて、窃盗も容易だったのではと、指摘する。
元刑務官 山内美鳳さん:自分のところに決裁が上がってきたはずなんです。どの受刑者が、どんな高価な金品を持っているのかも、もちろん把握しているはずです。自己の立場を利用して、計画的に犯行に及んでいる可能性は十分にあります。
本田容疑者は、「指輪を盗みました」と容疑を認めていて、金庫からはこのほかにも複数の指輪がなくなっていることから、警察は余罪があるとみて捜査している。
(関西テレビ「newsランナー」2025年5月9日放送)
