1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。

今回手にした写真は、昭和初期に奈良市内で撮影された女性の写真。和服を着て日本髪を結った女性は、芸妓さんでしょうか。橋の欄干に「えやばし」と書かれているのがヒントになりそうです。

兵動さんは若草山から出発して、まず立ち寄った「菊一文珠四郎包永」。750年の歴史がある包丁のお店で、昔のことに詳しいという銘切り職人の平井春男さんに聞くと、写真の場所は今でも残っている奈良の花街「元林院」だといいます。

■奈良の花街「元林院」へ

春日大社一の鳥居横にある1899年創業の老舗旅館「四季亭」。世界遺産を巡りやすいことから海外の方も多く訪れています。

代表取締役の太井信太朗さんが案内してくれたお座敷は、春日大社の宮造りを模した、大変豪華なお部屋でした。

太井さんによると、写真の「えやばし」は、興福寺の絵師が住んでいた「えやまち」にありました。江戸時代の地図には、確かに猿沢池のそばに「えや丁」の文字があります。

明治にその周辺の「元林院」で花街が栄え、大正~昭和には大いににぎわったそうです。当時、数百名の芸妓が、奈良の広報係としての役割もにない、歌や踊りでこの地を訪れる観光客を楽しませていました。

■奈良で現在ただ一人の芸妓「菊乃さん」

現在、奈良で唯一の芸妓「菊乃さん」は、元林院周辺で「お茶屋バーつるや」をしています。菊乃さんがこの世界に入ったころ、芸妓さんが30~40人いたそうですが、今は1人になってしまいました。

15歳のころから舞妓として芸事を習い始め、23歳で芸妓になった菊乃さん。当時、奈良の花街は大阪や京都にも負けないにぎわいで、吉野の方から三日三晩泊まり込みで遊んでいくお客さんもいたといいます。

今、菊乃さん一人で、奈良の花街を盛り上げようと頑張っているそうです。

橋は埋められてしまったそうですが、「えやばし」の欄干は残っていると教えてもらい、写真が撮られた場所へ行きます。

【兵動大樹さん】「奈良はすごい盛り上がっていますよ。あと奈良でお一人だけの伝説の芸妓さん、おしゃべりして楽しかったです」

(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2025年6月20日金曜日放送)

関西テレビ
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