東海テレビニュースONEでは、シリーズで「SNSな人々」をお伝えします。いまや“社会そのもの”といっていいほど私達をとりまいているSNS。そんな時代を「うまく生きる」ヒントをさまざまな人の声から探ります。

スマホやタブレットなど、私たちがデジタル機器に触れる機会が増えていますが、子供たちの“使い過ぎ”による悪影響を心配する声もあります。何歳から,どのように使えばよいのか、専門家に話を聞きました。

■尾木直樹さん「未就学児は親と一緒に」リアルな対人関係を

2025年にこども家庭庁が公表した、年齢ごとのインターネット利用率では、2歳ですでに半数以上の56.4%、6歳では83.5%などと高くなっています。

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子供たちはタブレットといつごろから、どう付き合えばよいのか、教育評論家の尾木直樹さんは“リアルな対人関係”を重視してほしいといいます。

尾木直樹さん:
小さな子供たちというのは、ママやパパとのやりとり、保育士さんとのやりとり、対人関係のリアルな関係の中で、心の発達や色々な認識が高まっていくんですね。「未就学児の場合は親と一緒に」というのを原則にすべきだと思います。そうすると親の反応なども子供に伝わりますし、悲しい時にお母さんが涙を流している姿とか、デジタルだけではなくてリアルなもので伝わっていく。

子供のタブレットなどの使用については、WHO=世界保健機関がガイドラインを示していて、「2歳になるまでは画面を見せない」としています。

2歳から4歳までは、使用時間を1日1時間以内とするよう呼び掛けています。

尾木さんは、これに加えて「未就学時は親と一緒に」「親子でルールを作ってほしい」しています。

タブレットは子供の所有物にせず、「親が子供に“貸し与える”」という形にして、家庭ごとに「夜、何時までか決める」「リビングのみで使う」「食事中に使わない」などのルールを決めてほしいとしています。

街で聞いてみると、各家庭でも様々なルールを作っていました。

9歳・7歳・4歳の母親:
1日30分までと決めています。「宿題をやってから」という約束で。

8歳・1歳の父親:
基本的に使わせていない。(動画は)見たいとは言うけど、最悪見るとなったらテレビにつなげて見る。

6歳・2歳の父親:
YouTubeを見ても変な動画が出てくるので、Youtubeキッズとかアプリを使っているんですけど。上の子はもう大丈夫で、「見ないんだよ」と言ったら見ないようにするんですけど、下の子は「もうダメですよ、時間ですよ」と言うと、ずっと見たいと泣いてしまう。

■“デジタル依存”が 集中力低下やイライラの原因に?

子供のSNSやスマホ依存などの診察をしている、名駅さこうメンタルクリニックの丹羽亮平院長は、「依存や脳の発達を考えると、少なくとも小学生のうちはできるだけ使わないほうがよい」と話します。

脳には前頭前野と呼ばれる部分があり、小学生の時期に急速に発達します。前頭前野は「我慢する力」や「深く考える力」に影響するとされていますが、タブレットやスマホを使っている時は、前頭前野がほとんど働いていないそうです。

その結果、集中力が続かない、イライラしやすいといったリスクが高まるため、注意してほしいといいます。

(東海テレビ)

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