新広島駅ビルの商業施設「ミナモア」が開業し、何かと話題の広島駅南口エリア。
8月3日には広島電鉄「駅前大橋ルート」の開業を控え、街全体が盛り上がっている。

そんな中、またひとつ駅周辺の景色が変わった。

エールエールA館に“新たな橋”

5月1日の深夜、降りしきる雨の中を大型クレーンがゆっくりと動く。

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広島駅前の商業ビル「エールエールA館」2階と猿猴川との間に新たな「橋桁」が架けられた。長さ約22メートル、幅4メートル。2026年春に広島駅とつながるペデストリアンデッキの橋桁だ。

広島駅〜エールエールA館を結ぶ北側のペデストリアンデッキまでは、もともと広島市の事業計画にあった。「さらに回遊性を高める必要がある」ということで、国と広島市の補助金を活用し、南側のペデストリアンデッキはエールエールA館が独自に架橋。階段も取り付け、地下道の出入り口や駅前大橋の歩道へと直結する。

地下2階・地上12階の商業ビル「エールエールA館」
地下2階・地上12階の商業ビル「エールエールA館」

広島駅南口・Aブロック地区は戦後、いち早く復興した地域だった。しかし、1970年代になると建てられた木造家屋は老朽化。商業エリアとしての魅力が薄れ、“駅前”という好立地をいかせない状況にあった。
そこで1980年代に再開発計画が立ち上がり、1996年に工事がスタート。約3年間の工事を経て完成したのが、広島の老舗百貨店「福屋」を核テナントとするエールエールA館だ。

開業から26年がたち、広島駅ビルが新しく生まれ変わる一方で、エールエールA館も1999年の開業以来の大改修が行われている。また広島市中央図書館の移転によって、客層が一気に広がりそうだ。

「広島駅の玄関」目指す

一方、北側のペデストリアンデッキの建設も2026年春に向けて予定されている。
路面電車が駅ビル2階に乗り入れる「駅前大橋ルート」は8月の開業まで3カ月を切った。完成形に近づくホームから通りを挟んで、エールエールA館と2階レベルでつながる場所を見ることができる。

ペデストリアンデッキの工事現場を取材する野川アナ
ペデストリアンデッキの工事現場を取材する野川アナ

そのエールエールA館の工事現場にカメラが入った。
「おお~!ここに出るんですね」
野川諭生アナウンサーが立っているのは北側ペデストリアンデッキが接続されるバルコニーのような場所。ここから2階の売り場へ入り、館内通路を抜けると、南側のペデストリアンデッキに出る。

南側ペデストリアンデッキの完成イメージ
南側ペデストリアンデッキの完成イメージ

新たに架けられた橋桁の前で、広島駅南口開発・大宮勉営業部長は「ここが広島駅の玄関だという見え方にしたい。ミナモアとは当然、競合する部分はあると思います。ただ私どもは百貨店、図書館もあるということで差別化もできるでしょうし、機能分担を図れると思っています。駅周辺の活性化では、相互に連携して盛り上げることもできると思うので期待してほしい」と話した。

広島駅と直結する北側のペデストリアンデッキ、川岸緑地につながる南側のペデストリアンデッキ。どちらも2026年春に供用開始予定だ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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