地域の子どもたちとその家族のために、豊かな交流の場を作りながら食育を支援する山形・新庄市の「子ども食堂」で、読み聞かせを通して本に親しむ新しい取り組みが始まった。

善意に支えられている子ども食堂
子どもたちの元気な声がこだまする新庄市の子ども食堂「あおぞら」。
地元の子どもたちや高齢者に食事と交流の場を提供しようと、市内のNPO法人が2023年6月に開設した。活動日は毎月第1・第3日曜日。

スタッフは朝から食事の準備に大忙し。
作る食事の食材などは多くの人の善意に支えられていて、この日の料理について説明してもらうと、「フライはいただきもの、市内の魚屋さんから。この中のフルーツ缶詰もいただきもの」と教えてくれた。

スタッフ:
これはスタッフさんが山から採ってきた細竹。川べりで…(笑)

子どもも大人も“ふれあいが広がる場”に
そして、食事の前の自由時間に、新たな試みが始まった。
活動の中心にいたのは、読み聞かせの会のメンバー・渡辺安志さん。
子どもたちが本に親しむきっかけになればと、NPO代表の押切さんの招きで「読み聞かせ会」を企画した。

読み聞かせ:
つかまえた。お父さんをつかまえたクマをゾウがつかまえた。パオーン! クマ・ゾウ・クジラ、みんなをつかまえたのはお母さんだ。

新庄市読み聞かせ連絡協議会・渡辺安志さん:
絵本を読んで「楽しかった」という話題を通して団らんしてもらう。お母さんには子どもがどんな本で喜んでいるのかを知ってもらう。ただ食べるだけでなく、さらにそこから本を通じてふれあいが広がる場所を目指せればと思う。
読み聞かせを楽しんだ子どもたちからは「楽しかった!」という声が聞かれ、笑顔があふれていた。
そして子どもたちの笑顔と声に、渡辺さんが元気をもらっているようにも見えた。

地域づくり・フォローアップセンター・押切明弘理事長
活字離れが叫ばれて久しいが、「今度図書館に行って借りたい」「本屋さんに連れて行って」など、そういうことにつながれば素晴らしい。

参加した親御さんは、「うちの子がゲラゲラ笑っていた。“こういう絵本が良いんだな”と気づかされたので勉強になった」と話していた。

新庄市で始まった子ども食堂の新たな取り組み。読み聞かせ会は毎月2回、次回は5月18日に行われる。
(さくらんぼテレビ)