福井県内の魅力を再発見「小旅」のコーナーは今回、県内では珍しい横たわった仏様「涅槃仏」を見ることができる越前市の古刹「帆山寺」を訪ねます。
  
越前市にある泰澄大師ゆかりの「帆山寺」は、聖武天皇の勅願で749年に建立されました。天皇が祈りを捧げた寺として、屋根瓦には今もなお、菊のご紋が刻まれています。戦国時代、戦火により焼失したあと1591年に現在の場所に再興されました。
  
本堂に足を踏み入れてすぐ左手に、ひっそりと横たわるのは「涅槃仏」。その大きさは2メートル50センチもあります。「涅槃像はお釈迦さまが亡くなった時の姿で、後ろの絵は、お釈迦さんが亡くなって弟子が悲しむ様子が描かれている」と住職が説明してくれました。 
  
木造でこれだけの大きさの涅槃仏は、全国的にも珍しいのだそうです。
  
また本堂の正面には「おびんずるさん」と呼ばれる撫で仏の姿も。自分の体の悪いところと同じ所を撫でれば治ると言われています。
 
住職は「赤い体をしているのは、おびんずるさんの活力が出ているからとか、お酒が好きだったので体が赤いという人もいて、いろんな説がある」と話します。
 
中世には、新田義貞や朝倉氏らの信仰を集めたと言われる帆山寺。本堂の柱に貼られた多くの千社札が、長い年月にわたる人々の祈りを物語っています。
 
全国的にも珍しい涅槃仏と出会い、撫で仏にそっと願いを託すひととき。癒やしを求め、訪れてみてはいかがでしょうか。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。