山形・山辺町のサクラの名所として知られる公園で、車で走り回ったとみられる跡が見つかり、町は悪質だとして警察に被害を届け出た。車の侵入を禁じる車止めがある公園に、誰がどのようにして入ったのか取材した。

広場の中央に「8の字」にドリフト走行したようなタイヤ痕がくっきりと残る
広場の中央に「8の字」にドリフト走行したようなタイヤ痕がくっきりと残る
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ドリフト走行で「8の字」のタイヤ痕?

被害が確認されたのは山辺町にある大寺ふれあい公園。
4月23日に、公園の整備のために訪れた業者が被害に気づき、町に知らせたことで発覚した。

草地にタイヤで荒らされたような跡が残っていた
草地にタイヤで荒らされたような跡が残っていた

サクラが咲く園内の広場は草地で、その大部分がひどく荒らされ「8の字」のような跡が残されていた。
残された跡は縦30メートル・横40メートル。何者かが車で広場に侵入し、走り回って荒らしたとみられる。

車が走ったとみられるその場所を見てみると、タイヤの跡で凹んでいて土がむき出しになっていた。

荒らされた跡は、縦30メートル・横40メートルと広場の大半を占める
荒らされた跡は、縦30メートル・横40メートルと広場の大半を占める

タイヤ止めのわきから大型の車が侵入したか

この公園には、車が侵入できないよう車止めが設置されている。
しかし侵入したと思われる車は、タイヤ止めのわきを通って中に入ったとみられている。

車の侵入を禁じる「タイヤ止め」のわき(記者の左わき)をすり抜け侵入か
車の侵入を禁じる「タイヤ止め」のわき(記者の左わき)をすり抜け侵入か

地面にはタイヤ痕とみられる白い跡が残っていて、さらに約15メートル先にはタイヤの跡がついた泥も残っていた。
また、タイヤ痕の幅はかなり大きく、大型の車が侵入したのではないかと考えられる。

タイヤ痕がついた泥も残され、そのタイヤ幅を見ると大型の車とみられる
タイヤ痕がついた泥も残され、そのタイヤ幅を見ると大型の車とみられる

町民の憩いの場を荒らす行為に、近くに住む人からは、「こんなの良くない。せっかくきれいに整地・管理しているのに、こんなことされたのでは、見たくない」「ひどいと思った。野球やサッカー・グラウンドゴルフをやっているからこれじゃ困る。何でこんなことするのか」と、憤りの声が聞かれた。

町民に親しまれている場所だっただけに、そのショックや落胆は大きい
町民に親しまれている場所だっただけに、そのショックや落胆は大きい

この場所は、今ではサクラの名所として知られているが、以前は小学校があった場所。
話を聞いた人の中にはその小学校に通っていた人もいて、「思い出の場所を傷つけられたショックがある」とも話していた。

町民の憩いの場所・思い出の場所を汚す残念な行為を、だれが何のために…
町民の憩いの場所・思い出の場所を汚す残念な行為を、だれが何のために…

通報を受け警察が駆けつけた時には姿なし

町が警察から聞いた話によると、「4月20日午後8時ごろ、広場の真ん中に車が止まっているのを見つけた人が通報してきたが、警察が駆けつけた時にはすでに車はいなくなっていた」という。

4月20日午後8時ごろに警察に通報があった
4月20日午後8時ごろに警察に通報があった

また、「車の音がうるさかった」と話す近所の人もいたそう。当時、公園ではサクラのライトアップが行われていた。

山辺町産業課・高橋直之係長:
大変ショックを受けているし、非常に残念な気持ちでいっぱい。サクラの一番見ごろな時期にこういったことが行われて大変残念。まずはすぐ申し出てほしい。

公園を維持・管理する町の担当者にとっても、驚きとショックを隠せない残念な出来事
公園を維持・管理する町の担当者にとっても、驚きとショックを隠せない残念な出来事

町は23日夕方、警察に被害届を提出した。警察は、器物損壊の疑いも視野に入れ調べを進めている。
町民が一刻も早く公園を使えるようにしたいと考えているが、町としての今後の対応はまだ決まっていないという。

※高橋直之係長の「高」はハシゴダカ

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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