東京都渋谷区は、老朽化に伴い区立の小中学校や幼稚園の校舎を順次建て替える「新しい学校づくり」の整備方針を打ち出した。

この記事の画像(8枚)

今後20年間に建て替える施設は全27のうち22施設にのぼる。渋谷区が考える未来の学校のコンセプトは、「世界とつながる多様性と、自由な学習空間を提供すること」だ。校舎内の中央にラーニング・コモンズと呼ばれるオープンスペースをつくり、グループで学習できる「学びの空間」を設けるのが特徴で机やモニター、書庫や閲覧スペースも設置される。

他にも最先端のパソコンでプログラミングが学べるフューチャールームやオンラインで世界中とつながる教室をつくる。また、職員室前にカウンターを設けて、職員室に入らずとも、子供たちが先生と会話ができるような配慮される。

神南小学校(2028年度に完成予定)

神南小学校は、学年ごとのラーニング・コモンズを中心に、子供たちがふれあい、活動が生まれる校舎がコンセプト。

運動場に面した校舎にはスロープが設置されるほか奥行きの深いテラスも作られる。

広尾中学校(2028年度に完成予定)

広尾中学校は、校舎に新設の図書館を併設し、「学校全体がスタジアムのような一体感を持った学び場にする」がデザインコンセプトだ。

松濤中学校(2028年度完成予定)

松濤中学校は、1階に図書室や体育館、多目的室などを配置して、地域開放を検討する。

学校機能は、2階から3階にまとめ、建物中央にある谷のような広場をラーニング・コモンズにするデザインだ。

代々木中学校(2029年度に完成予定)

代々木中学校は、公園に隣接していることもあり、森の学校をコンセプトにした緑豊かな自然に包まれた解放感と安心感のある校舎にするという。

特徴的なのは、ピロティプロムナードと呼ばれる屋根のかかった半屋外空間を作るという。

鉢山中学校、原宿外苑中学校などの建て替えは、これから具体的なことが検討されていく。

渋谷区は「多様な学びであったり、地域開放など多くの人に利用してもらえる施設に生まれかわるよう計画を着実に進めています」としています。

大塚隆広
大塚隆広

フジテレビ報道局社会部
1995年フジテレビ入社。カメラマン、社会部記者として都庁を2年、国土交通省を計8年間担当。ベルリン支局長、国際取材部デスクなどを歴任。
ドキュメントシリーズ『環境クライシス』を企画・プロデュースも継続。第1弾の2017年「環境クライシス〜沈みゆく大陸の環境難民〜」は同年のCOP23(ドイツ・ボン)で上映。2022年には「第64次 南極地域観測隊」に同行し南極大陸に132日間滞在し取材を行う。