2023年の秋にフランスと韓国で、トコジラミが大発生して世界的なニュースとなったが、日本国内においてもトコジラミの発生件数は年々増加傾向にあり、最近では国内の宿泊施設でもトコジラミの発生が確認されている。

刺されると猛烈なかゆさに襲われ、しかも繁殖力が強くて非常にやっかいな害虫だ。

どこに出かけようと、どんな宿に泊まろうと、トコジラミと遭遇する可能性がゼロではなくなった今、旅先でトコジラミの被害に遭わないためには何をすべきなのだろう?

トコジラミの成虫は茶褐色で体長5〜8mm前後(画像提供:日本ペストコントロール協会)
トコジラミの成虫は茶褐色で体長5〜8mm前後(画像提供:日本ペストコントロール協会)
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害虫駆除の専門家で、トコジラミの生態に詳しい足立雅也さん(808シティ代表)は、個人が旅先でできるトコジラミ対策には、さまざまな方法があるという。

「まずトコジラミの糞が部屋に落ちていないかチェックし、発見した場合はルームチェンジをリクエストするといった方法や、バスルームやビニール袋などをうまく活用して荷物や衣服にトコジラミが付くのを防ぐといった方法などがあります。どれもこれ以上被害や発生エリアを広げないために、知っておいて損はない情報だと思います」

(精神が崩壊するほどのかゆみ?トコジラミの症状についてはこちらの記事へ)
(旅行先での対処法についてはこちらの記事へ)

プロが実践している4つのこと

足立さんは、国内外問わず、ホテルや旅館に泊まったときは、以下の4つのことを常に意識し、実践しているという。順を追って解説していただこう。

(1)宿に着いたら、まず荷物をトイレやバスルームに運び込む。部屋の床に荷物を置く場合は、必ずビニールなどの敷物やゴミ袋を敷いた上に置く。

荷物はバスルームへ(画像提供:足立雅也さん)
荷物はバスルームへ(画像提供:足立雅也さん)

「いくら掃除が行き届いているように見えても、宿のカーペットや畳にはトコジラミが潜んでいる可能性があります。その点、トイレやバスルームは掃除の際に水を流すため、トコジラミがいる確率は低いと思っていいでしょう。またトコジラミはツルツルしたものの上を歩くのが苦手なので、部屋の床に荷物を置く場合は下にビニールを敷くのもおすすめです」