米の価格高騰が止まらない中、18日、農林水産省は3月の業者間での米の取引価格は2万5876円だったと発表。2月に比べ約600円安い結果となったが、放出された備蓄米は全体のごくわずかしか小売業者に届いておらず、変わらず米不足が続いている。
「金で作られたものなの?」留学生も驚き
大阪市内のスーパーに並ぶコシヒカリ5キロ、値札に書かれた値段は税込みで6350円。
米は、ついに5キロ6000円台に突入。
まさかの高値に衝撃を受け、SNSに画像を投稿したのは中国からの留学生だった。

5キロ6000円超の米を見た中国からの留学生:
この値段見たときびっくりした。なんで6000円になっちゃったの?と。「金で作られたものなの?」って。

沖縄・那覇市のスーパーでも6000円オーバーが出始めるなど、止まらない米の高騰。

18日に発表された3月の消費者物価指数では、2024年の同じ月と比較した米類の上昇率が92.1%と過去最大を更新。
この1年で米の価格が約2倍に跳ね上がったことになる。
品目別でも、おにぎりが15%、外食の寿司が4.7%上昇と米関連が軒並み値上がりして、家計へ重い負担となっていた。
小売業者に備蓄米わずかしか届かず…
18日、農林水産省は3月の業者間での米の取引価格が2万5876円だったと発表。

これは過去最高だった2月に比べ約600円安くなっていて、備蓄米放出の効果が出てきたとしている。

一方で、流通を巡っては、3月中旬に放出を始めた備蓄米約14万トンのうち、3月30日までに集荷業者が引き取ったのは全体の3%にも満たない4071トン、その中で小売業者などに届いたのはわずか461トン。全体のわずか0.3%ほどだったことが分かったのだ。
鹿児島・阿久根市のホームセンター「AZあくね」からは「まだ備蓄米の入荷がない」という嘆きが漏れていた。

AZあくね・福浦涼太さん:
現状耐えているところがあるので、先々は苦しくなってくると思う。備蓄米を流してもらい循環すれば品ぞろえが充実し、お客さんにも届けられる。

今は十分な品ぞろえがあるものの、今後の品切れが不安。
そのため、これまで、1袋5キロが主流だった米を1袋4キロに減らし、在庫を確保しながら販売を続ける苦肉の策を打ち出した。
買い物客は、「もう少し(備蓄米を)出してほしい。食べる方もないと困る」と話していた。
「つぶこんにゃく」で“かさ増し”
相変わらずの米不足。

そうした中、1袋約100円のつぶこんにゃくが注目を集めている。
埼玉・鶴ヶ島市の「ベイシア鶴ヶ島店」では、取材中にも手に取る買い物客がいた。
つぶこんにゃくを2つ購入した人:
つぶこんにゃくをご飯と一緒に炊く。ご飯今も高い。これで少し“かさ増し”。お通じにもいいみたい。

つぶこんにゃくを米に混ぜて炊飯器で炊き、ご飯の量をかさ増し。

従来は、カロリーを減らすことが目的の人が多かったというが、米を節約しようと購入する人が増えているという。

取材班が向かったのは、お米7割、こんにゃく米3割で炊き上げたご飯が人気の弁当店、東京・渋谷の「えさきのおべんとう」。
ヘルシーとおいしさを両立しつつ、米の値上がりの影響も受けにくいという。

来週の23日から備蓄米の3回目の入札が始まるが、米の価格は安くなるのだろうか。

宇都宮大学農学部・松平尚也助教:
4月以降、放出分がしっかり出回れば、5月中に3000円台後半に落ち着いてくると予想するところであります。
(「イット!」4月18日放送より)