17日、日本肥満学会は若い女性に「痩せ過ぎ」が増加し、健康リスクが高まっていると警鐘を鳴らした。SNSの影響や過度なダイエットが背景にあり、骨粗しょう症や月経異常の危険もある。健康的に痩せるには「朝食を食べる・運動・睡眠」の基本を守ることが重要と指摘している。

若い女性の痩せ志向が深刻化

これからやって来る薄着の季節に向けて、体型を引き締めようという方もいるかもしれない。そうした中、17日に日本肥満学会が会見で警鐘を鳴らした。

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17日のテーマは「日本の女性は痩せ過ぎ…ではどうすれば?ソレってどうなの?」。

まずは女性に話を聞いた。

ーー体形って気にする?
18歳:

気にしてます。見た目で足とか。
自分の自信にも繋がったりするので、痩せていたほうがいいと思う。

20代:
周りの目もそうだし、自分でも気になる。SNSで細い人を見る機会が多いので、それと比べることがあるかな。

20代:
好きな服を着る時に体型を気にしたくない。好きな服を着られるように頑張ってます。

こうした痩せたい願望に日本肥満学会が、17日午前、警鐘を鳴らした。

日本肥満学会・横手幸太郎理事長:
女性の平均BMIはこの30年減少傾向にあり、特に20代を中心とする若い女性のBMI18.5未満、いわゆる「痩せ」というカテゴリーに分類される方が増えている。1年をかけて「低体重・低栄養症候群(FUS)」というものを論じてきた。

「メタボリック症候群」とは真逆の「低体重」の状態も疾患として位置づけ、予防の指針を作成すると発表した。

BMIが18.5以下の「低体重」が、日本人の20代の女性では約2割、5人に1人となっている。これは先進国の中でも高い割合だという。「低体重」だと、骨粗しょう症や月経周期の異常、摂食障害など健康へのリスクがある。

日本肥満学会は、痩せ過ぎの女性が増えている背景についてこう指摘している。

女性の低体重/低栄養症候群 ワーキンググループ・田村好史副委員長:
SNSなどでこういう(痩せの)考えがより強化されて、問題を引き起こしているのではないかと考えられる。

SNSなどを通じ「痩せていることが美しい」という価値観が浸透している。最近では、糖尿病や肥満症の治療薬が自由診療でダイエットに使われ、問題になっていると指摘した。

また、痩せたい願望は若年化していて小学校1年生で35%、6年生では半数以上の児童が「痩せたい」と答えたという。

朝食運動睡眠で健康的ダイエットを

青井実キャスター:
この状況、柳澤さんはどのように見ますか?

SPキャスター柳澤秀夫さん:
何のために痩せるかですよね。例えば、生活習慣病で健康状態を回復させるために痩せるなら分かるんです。それをただ単に見た目だけで痩せるというのは、これは健康とは別のものになってしまうと思うんですよ。やっぱり健康第一だと思いますけどね。

青井キャスター:
しかし、痩せると自信になるという声や、SNSで人と比べるという声もありました。痩せることに対しての意識ですが、海外の方はどのように捉えているのか聞いてきました。

ドイツから:
日本と違います。みんな違う体形でも誰も気にしないです。

アメリカから:
日本の女性はとても健康的で美しく、ありのままで完璧だと思います。

アメリカから:
自分自身で満足しているならそれでいい。

青井キャスター:
過去に過剰なダイエットにより女性モデルが死亡したことを受け、スペインやフランスなどでは、痩せ過ぎのモデルのショーへの出演を禁止しています。一方、日本でも先週「LINEヤフー」が「過食・拒食・摂食障害を助長する投稿は禁止です」と、過度なダイエットを助長する投稿の取り締まりを強化しました。とはいうものの、やはり体形は気になるもの。みなさん様々な方法でダイエットしているようです。

20代:
成人式前にサラダチキンとゆで卵、サラダだけとか3カ月くらい続けた。4キロ痩せました。筋トレとかは、どうしても毎日続かない。

20代:
結構ご飯を我慢した時に肌が荒れたので、そこから食事はあまり我慢しないようにした。

30代:
沖縄旅行に行く時に急いでダイエットしたら、体調を崩して1週間くらい寝込んだことがあります。急ピッチで始めて2週間ほぼ炭水化物食べないみたいに極めてたら、1週間ですぐ体調壊しました。

青井キャスター:
皆さん気をつけていただきたいですが、健康的に痩せるにはどうすれば良いのでしょうか?日本肥満学会は、こう指摘しています。

女性の低体重/低栄養症候群 ワーキンググループ・田村好史副委員長:
小学校で習うような、①「ちゃんと朝ご飯を食べよう」②「ちょっと運動しよう・8000歩歩こう」と厚労省でも勧めているが、あとは、③「夜ちゃんと寝よう」、この3つをしっかりやっていただいて。

過度な食事制限や過度な運動に走らず、健康的なダイエットを心がけることが大切だ。
(「イット!」4月17日放送より)

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