「我が家に来て初めて散歩へ行った時に、ふうちゃんは車の近くに座りこんでしまいました。もといた場所である『保健所に戻りたい』と言われたような気がして、すごく複雑な心境になりました。ふうちゃんにとっては、保健所の職員さんたちが家族だったのかもしれない、と」

そんな寂しさを見せながらも、優しさと温かさでtamtamさんや家族の心を癒やしてくれるふうちゃんに支えられたと語る。
悲しさよりも心配が勝る、でも…
半年後、ふうちゃんを新たな飼い主のもとへ送り出したが、tamtamさんは「別れの悲しさよりも心配の方が勝ってしまいます。お嫁に出す心境です」と優しく笑う。
「新しい飼い主の方に預けて大丈夫か、散歩中に逃げ出したりしないか、ドキドキの方が大きいです。悲しくなるのは、お試し期間が終わり正式譲渡が近づいてから。大丈夫、心配ないと思い、もう我が家に帰ってこないと心の整理がついた頃に悲しくなります」

「でも新たな飼い主さんとの交流もあって、写真や動画から幸せそうな姿を共有してもらっているので、お別れではありません。新しい家族との絆が芽生えていくのを見られるのは、私たちのような立場じゃないと見えないもの。終わりではなく、続きで、はじまっていきます。私は“預けて大丈夫”と思える人へ送り出しています。一時預かりをした犬や猫も新たな家族とゼロから関係を構築できると信じています。それを一度我が家で実証しているので、自信を持って送り出しています」