福井市に住む高校1年生のダンサー村上純さん(15)が、4月20日に東京で開かれるダンス界の国内最高峰の戦い「ダンスアライブ・ファイナル」に県勢で初めての出場を決めました。ようやくつかんだ憧れの舞台。これまで、どうダンスに向き合ってきたのか、決戦を前に彼女の素顔と思いに迫ります。
キレの良いダンスを見せる村上純(むらかみ・いと)さん。「ロックダンス」と呼ばれる、アメリカで生まれたストリートダンスの一種です。激しい動きから、突然静止するスタイルが特徴です。
小学5年生でロックダンスを始め、ダンス界の日本一を決める大会「ダンスアライブ」ファイナルを目指し練習を重ねてきた純さん。2025年1月、3度目の挑戦で中学生以下の部門の北陸代表として、県勢で初めて出場権をつかみ取りました。
全国の地区予選などを勝ち抜いた20人しか立つことのできないファイナルの舞台。純さんは1年前の大会では地区代表の座をつかむことはできず、敗者復活となるワイルドカード枠での出場を狙ってファイナルの前日、予選に臨みましたが、惜しくもファイナル出場は叶いませんでした。
「ダンスのレベルが違いすぎて、盛り上がり方もすごかったし、自信を無くした」と純さんは1年前を振り返ります。
ダンスアライブは1つの地区だけでなく、全国の地区予選に出ることができ、純さんも全国を回ってファイナル出場を狙ってきたといいます。「中3のときも今回も、色んな地区の予選に出たが、トーナメントにすら上がれなくて本当にいけるのかなと思ったけど、諦めなくてよかった」。
現在は月に1回から2回、大阪でレッスンを受けていて、それ以外は基本的に一人で練習をしている純さん。本番まで2週間ほどとなる中、毎日1時間半から2時間行っているという自宅での練習の様子を見せてもらいました。
「音をよく聞いて色んなリズムの取り方をしたりとか、最近は爆発とかが本番でできるように本番さながらに踊っている」と純さん。
目標に向かって諦めずにチャレンジし続ける姿勢の裏には、家族の支えがありました。「送り迎えをしてくれたり、お金を出してくれたり、練習に付き合ってくれたり。家族がサポートしてくれたからそのサポートに答えようと思って、ここで諦めたらだめだなと思ったのでやり続けた」といいます。
一番近くで見守ってきた母親の友美さんは「昨年のダンスアライブのワイルドカードの予選で自分の踊りができなかったんですよね。すごく悔しくて終わった後にすぐ泣いて、私もそれを見て悲しくて悔しくて涙が出たんですけど、その気持ちがあったからこの1年間、その気持ちだけでやってきたんじゃないかな」と話します。
家族でつかみ取ったファイナルのステージ。純さんは「(家族は)自分が楽しく踊っている姿を見たいと思うので、勝ち負けも大事だけど自分を開放して自分の感情を爆発させて全力を出し切って全力で楽しみたい」と、家族への感謝の思いを胸に憧れの舞台へ挑みます。