福井市の東公園で建設が計画されている福井アリーナは整備費が増額し最大160億円が見込まれる中、計画をまとめる福井商工会議所は19日、施設の概要や収支の見通しなどを盛り込んだ詳しい計画を発表します。
整備費の上振れをどこまで抑えることができるのか、また多額の行政支援を見込む中で、県民や市民の理解を得られる持続可能な収支計画を示せるかがポイントとなっています。
◆過去2度にわたる整備費の上振れ
2025年6月、福井商工会議所の八木誠一郎会頭が杉本知事と面談し、福井アリーナの2回目の整備費上振れを報告するとともに、次のように財政支援を求めました。
福井商工会議所・八木誠一郎会頭:
「設計の見直しなど様々な工夫を踏まえたとしても、物価上昇分も含めて整備費の総額は150億円程度、最大で160億円程度を見込んでいます」
アリーナ構想は、2022年に県、福井市、福井商工会議所でつくった「県都グランドデザイン」に盛り込まれたのが始まりで、当初の費用は75億円。民間主体で整備を行うとしていました。
しかし、2024年2月に発表した計画案では、建設資材や人件費の高騰などを理由に、整備費は105億円と当初より30億円の上振れとなり、国の補助金などを活用するため行政が50億円、民間が55億円を調達する計画に変わりました。
八木会頭は「人口減少の中で、生き残りをかけて地域の活性化の一つの手段としてやっていかないといけない。不退転の覚悟で進めていく」としていました。
2025年6月には、さらなる資材費高騰や周辺住民らが求める防音対策の強化、映像設備の充実などで、整備費は最大160億円に膨らむとの見通しが示されました。
これについて八木会頭は「物価上昇分も含めて最大で160億円という数字が出てきたので、我々としてはマックスの数字を少しでも切り詰めていきたい」としていました。
◆プロバスケ試合、コンサートの開催を想定
現在の計画では、福井アリーナの延べ床面積は約1万2000平方メートル。プロバスケットボールクラブ・福井ブローウィンズのホームアリーナとして最大5000席を設け、メインアリーナはバスケットコートが2面、サブアリーナはバスケットコート1面が入るサイズを想定しています。
また、ライブやコンサート、展示会など様々なイベント利用で交流人口の拡大と地域経済の持続可能な発展につなげたいとしています。
19日に予定されている基本計画の発表には、修正された施設の概要やアリーナ建設による経済波及効果、開業後の収支計画などが盛り込まれます。
現時点で総額約60億円の支援が求められている県や福井市は、計画案の修正に前向きな姿勢を示すものの、県議や市議の中には2度の建設費の上振れやアリーナ開業後の収支計画を疑問視する声があります。