“二刀流”といえば、メジャーリーガー大谷翔平選手の代名詞だが、福井県あわら市には日本に3台しかない二刀流の“はたらくくるま”があるという。その名も「消救車」。サイレンはどんな音?どんな装備?調べるためにあわら市へ向かった。

消防車と救急車の“二刀流”で活躍する「消防救急自動車」
消防車と救急車の“二刀流”で活躍する「消防救急自動車」
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どんな設備が?

今野真帆アナウンサー:
「日本でたった3台しか稼働していない“超レア”な車両があわら市にあるということで来てみたんですが…これですね!消防車にも救急車にも見えますね」
    
赤と白のボディに大きな赤色灯が付いた緊急車両「消防救急自動車」、通称「消救車」。稼働は国内で3台のみ。消防と救急の2役をこなす消防界のスーパーヒーローだ。

消救車の内部には搬送用のストレッチャーなどが装備
消救車の内部には搬送用のストレッチャーなどが装備

さっそく、どんな装備があるのかを見せてもらった。車両の側面にあるシャッターを開けると、ポンプやホースなどが消防車の装備が。車両の後方に回りドアを開けると、患者搬送用のストレッチャーやAEDなど、救急車と同様の医療設備が備えられている。
 
火災現場ではポンプ車として消火活動を行い、救急要請があれば救急車として応急措置や傷病者の搬送を担う。

車両の側面には消防車の装備
車両の側面には消防車の装備

なぜ、国内に3台しかない消救車があわら市にあるのか。

嶺北あわら消防署の森川雅行・救急分所長は「救急分所はこれまで3人体制で消防車1台、救急車1台を運用していたが、消救車なら1台で火災も救急も対応が可能。少人数で様々な災害に対応するために導入した」と話す。
 
さらに「水を積載するタンク車はかなり大きな車両になるが、消救車は消防車の中では小ぶりな車両なので狭い道でも入っていける」メリットがあるという。

消防・救急の両方で稼働中

あわら市では2015年に消救車を導入。全国では青森県・千葉県・京都府で導入されているが、実際に消救車として稼働しているのはあわら市を含めて3台のみだ。
 
2024年は、火災現場4件、救急出動120件、野焼きなどの警戒・その他で16件の出動があり活躍をみせている。

あわら市内での消救車の稼働状況
あわら市内での消救車の稼働状況

サイレンはどんな音?

では、消防と救急の機能を併せ持つ消救車、そのサイレンの音は?
 
実は、サイレンの音は3種類ある。救急車の時は「ピーポー!ピーポー!」、火事の時は「カンカンカン」という警鐘と「ウ~!」という消防のサイレンを組み合わせて鳴らす。
  
消防も救急も全力投球!大活躍の消防救急車は、きょうもあわら市民の命を守っている。

ピーポー!カンカン!ウ~を使い分ける
ピーポー!カンカン!ウ~を使い分ける
福井テレビ
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