“魔の7歳” 過去のデータと研究から見えてきたもの

金沢大学 藤生慎教授
金沢大学 藤生慎教授

なぜ7歳が最も多いのか…交通計画が専門の金沢大学の藤生慎教授に伺うと「どういう交通環境に自分が置かれているのかという理解がまだ不十分。自分たちがどんな危険にさらされているのかという理解がまだ追いついてない」と話す。

小学生の登校風景
小学生の登校風景

小学校に入り、初めて1人で登下校するなど行動範囲が一気に広がる一方、交通ルールへの理解が深まっていないのが理由だという。

さらに藤生教授は、「1年生になって、その時に考えられることは本当に数限られていて、お友達と遊ぶとなると、『誰と公園で遊ぶんだ』など、それしか頭の中になくなってしまう」と、低学年の児童の発達を踏まえた特性について話す。

「1人歩きデビュー」の時期には危険がたくさん潜んでいる。

低学年の子どもは、実際の交通状況を読み取る力や経験が浅いため、道路に突然飛び出すなどして、交通事故に巻き込まれやすいという。

「交通安全ハザードマップ」で注意すべき場所の把握を

交通安全ハザードマップ
交通安全ハザードマップ

こうした中、子どもたちを事故から守ろうと、藤生教授が交通安全活動に取り組む「こくみん共済 coop」と一緒に作成したのが「交通安全ハザードマップ」だ。

過去の事故の統計データや保護者などからの投稿をもとに、歩行者が注意すべき場所を地図上に表記している。

地域ごとに危険な場所を表示
地域ごとに危険な場所を表示

藤生教授は「どこが危ないのかというのは、なかなか常日頃は見ることがないと思う」と話し、ハザードマップを作り、みんなで見てもらい、どこが危ないのかを知っておく必要があると強調する。