有明海のムツゴロウが国際自然保護連合IUCNのレッドリスト絶滅危惧種に指定された。有明海ではタイラギなど2枚貝も激減。養殖ノリにも色落ちがみられ、かつて「宝の海」と呼ばれた海の環境悪化が懸念される。
ムツゴロウの“婚活”は初夏の風物詩
有明海では、潮が引くと広大な干潟が姿を現し、たくさんの生き物たちが活発に動きまわる。

その中でも目を引くのが、青色の斑点やハート形の目が可愛らしい「ムツゴロウ」。

ムツゴロウは、日本では有明海と八代海にしか生息しないと言われているハゼ科の魚。

メスのハートを射止めるためにぴょんぴょんと飛び跳ねてアピールするオスのムツゴロウの“婚活”は初夏の風物詩だ。
IUCNレッドリスト絶滅危惧種に
そのムツゴロウが、国際自然保護連合、IUCNが絶滅の恐れがある動植物をまとめたレッドリストの最新版で新たに絶滅危惧種に指定された(2025年3月27日発表)。

IUCNなどによると、国内のムツゴロウの年間漁獲量は1964年に216トンだったが、乱獲などで1988年には2トンまで減少。環境省が定めるレッドリストでは、IUCNに先駆けて1999年に絶滅危惧種に指定されている。

佐賀県はムツゴロウの保護のため特定の時期や地域での漁のほか、10センチ以下のムツゴロウの捕獲を禁止している。

有明海では2枚貝も激減し、タイラギは長年にわたって休漁が続いている。養殖ノリにも毎年、色落ち被害がみられ、かつて「宝の海」と呼ばれた有明海の環境悪化が懸念されている。
(サガテレビ)