1日、備蓄米の2回目の入札結果が公表され、米の価格が落ち着くか注目が集まる中、SNSで“米の激安販売”をうたった、詐欺とみられるトラブルが相次ぎ、全国で20人以上が被害を訴えている。イット!取材班は、詐欺行為が疑われる男が兵庫・南あわじ市にいるのではとの情報を入手し、男の父親だという男性に話を聞くことができた。男から「返金したい」とする連絡があったと話す一方で、本人がどこにいるかは、分からないという。

SNSでは「被害者の会」も“米の激安販売”詐欺

なかなか下がらない“米の値段”。SNSで、“米の激安販売”をうたった、詐欺とみられる手口が明らかになった。

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被害を訴える女性は「よくこういう詐欺を思いついたなというか、怒りしかないですね」と話す。

1日、備蓄米の2回目の入札結果が公表され、平均落札価格は、60キロあたり2万722円で、初回よりも約500円安く落札された。

米の価格が落ち着くかどうか、注目が集まる中…“米の激安販売”をうたった業者による被害が、全国で相次いでいて、鹿児島県在住の女性は「13万5000円支払ったけど、一向にお米が届かない」といい、岡山県在住の女性も「やっぱり詐欺に遭っていたんだっていうのが分かったんです」と話す。

被害者は、分かっているだけで20人以上のぼる。一体、どのような手口だったのか…。

被害者の女性によると、きっかけは、2月の上旬、“個人の米農家”を名乗るアカウントがTikTokに投稿した「コシヒカリ30キロ+5キロ。1万5000円です」と書かれてある画像だ。

コシヒカリを5キロあたり約2100円の激安価格で販売していて、東京で3人の子どもを育てるこちらの女性は、投稿を見て1年間の定期購入を申請した。

先払いを求められ、普段からSNSを通じ買い物をしていたことから、特に疑うこともなく、1年分の料金を振り込んだという。

女性:
14万4000円、明日振り込みたいと思います。
男:
特別割引として、14万円で大丈夫ですよ。
女性:
やったーーー。
男:
内緒ですよ。

しかし、米は一向に届かず…。怪しいと思い始めた時、相手からは、こんなメッセージが届いたという。

東京都在住の被害者:
「お米で詐欺なんて僕はしていません」とか、そういうのがずっと送られてきていて、この人いい人なのかなと思いながら「だますことは一切していません」って言うんですよ。

その後、“精米をしていなかった”などの理由で、振り込みから1カ月以上が立った今もまだ、米は届いていない。

被害者は他にもいて、鹿児島に住む女性によると、SNSでは、“被害者の会”ができているという。

鹿児島県在住の被害者:
私たちがしているグループチャットは25人いる。多い方で30万円以上の方もいるみたい。たくさんの県の方が被害に遭っている。

被害に遭った岡山県在住の女性(69)は「警察に行って、被害届を受理してもらった。詐欺に間違いないことで、ただ『請求したお金が返ってくるかこないかは警察の管轄ではない』と言われた」と話す。

「返金したい」というも男の所在不明

警察も捜査に乗り出すこととなった今回の問題。

イット!取材班は、詐欺行為が疑われる男が兵庫・南あわじ市にいるのではとの情報を入手し、男の父親だと話す男性に話を聞くことができた。

父親は、複数の被害者から連絡があり、状況を把握していて男からは「返金したい」とする連絡があったと話す。一方で、本人がどこにいるかは、分からないという。

男の携帯に電話をかけてみるが、何度電話しても相手は出なかった。

東京都在住の被害者は「逮捕されて、悪かったというのをちゃんと分かってもらいたい」と悲痛な胸の内を話す。

20人以上が被害を訴える、米販売を巡るトラブルは、警察による捜査が進んでいる。
(「イット!」4月1日放送より)

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