ガソリン価格が今、大きく揺れている。
200円をつける店もあった先週と比べると、様相は一変し、どの店も、安くなっていた。
こうした中、政府は26日、石油製品の安定供給に向けた切り札として、石油の「国家備蓄」の放出に踏み切った。そうした中、ガソリン高騰のきっかけになったイラン情勢を巡っては…。
「備蓄石油」放出でガソリン価格に影響は?
アメリカ・ワシントンのイベント会場に「YMCA」が流れると、踊り出したトランプ大統領。
日本時間午前8時半すぎ、戦闘が続くイランとの協議について、こう主張した。

トランプ大統領:
我々は誰も見たことがないほどの勝利を収めている。イランとは交渉中だ。彼らは合意したくてたまらないが、それを言って国民に殺されるのを恐れている。我々に殺されることも恐れている。

戦闘終結に向けてアメリカ側は、イランに対しホルムズ海峡の開放など15項目の停戦案を提示。

一方、イラン国営メディアはイラン高官が5つの条件を示したと報じた。
攻撃や暗殺の完全停止、ホルムズ海峡に対するイランの主権を認めることなどが条件だという。
お互いが提示した条件に大きく隔たりがあり、停戦に向けた糸口は見えていない。
イラン情勢の悪化で原油価格が高騰する中、日本政府が動いた。
ガソリンなど石油製品の安定供給のため、国が備蓄する石油の放出に踏み切ったのだ。

全国11カ所の備蓄基地から放出予定の石油量は、国内消費の約1カ月分の850万キロリットル。
すでに放出されている民間の備蓄と合わせると、45日分に当たる。
一時、200円を超える値も付いたガソリン価格の安定につながるのだろうか。

東京・世田谷区のガソリンスタンド。
2週間前には185円だったレギュラー価格が、先週は20円、そして26日は8円下がり、1リットル当たり157円で販売していた。

シンエネ八幡山SS 所長・佐藤大さん:
仕入れ価格も下がったのと、こういうご時世なので、本社の判断で値下げしました。

レギュラー1リットル当たりの全国平均価格は先週、初めて190円を突破。
しかし、政府の補助金の効果で、今週は13円下がり177円70銭になった。

所長の佐藤さんは「やっぱり安定した価格でお客さんに提供できればと思っています」と話した。
ガソリン品切れ、原油不足で営業休止に…
一方、価格以前の問題も起きていた。

レギュラーの価格だけ消えている看板。
店は営業中だが給油する車はなかった。

福島市のガソリンスタンドでは、レギュラーガソリンが品切れになっていた。
22日に在庫が尽きたという。
品切れを知らずに訪れる客も多く、スタッフが説明に追われていた。

イラン情勢の悪化で独立系のガソリンスタンドなどで在庫不足が深刻化。
元売り会社から入荷できない状態が続いていたのだ。

すると「イット!」取材中、大きな動きがあった。
3日ぶりにガソリンが入荷したのだ。

南福島ジャスモールSS 黒田拓店長:
こんなに(3日間も)品切れが続くことは初めて。
店長はガソリンを提供する準備で大忙し。
169円の値段を掲げると、続々と客の姿が見られた。

しかし、入荷量には不安も…。
黒田店長によると「正直、週末まではもたないというくらいの量」だという。
次の入荷のめどは立っておらず、速やかな事態の収束を望んでいた。

原油不足の影響は静岡・浜松市でも起きていた。
浜松市が運営する温浴移設は、お湯を沸かすための重油が確保できなくなったため、25日から無期限の営業休止を決めた。

営業最終日となった24日の取材では、1700リットル入るタンクの残量は、750リットル。
半分を切っていたが、取引業者からは“在庫が確保できない”と連絡があった。

残り少ない重油は、同じ敷地内にあるデイサービス用の施設で使うという。営業休止の知らせに常連客からは「仕方ない、ちょっと残念です」といった声も聞かれた。
国家備蓄の放出で石油の安定供給につながることが期待されている。
(「イット!」3月26日放送より)
