この日2回目の「コードブルー」火傷の女性患者の対応へ
看護師:
松尾先生、「コードブルー」なってます。
この日2回目の出動要請が入ると、ICUから駆け足で屋上のドクターヘリ発着場に移動した。看護師からは、「80代女性が気道熱傷の疑い」との情報を受けながらヘリに乗り込んだ。松尾医師は、事前に看護師と処置内容をすり合わせることで、「情報を聞けたら、やることがなんとなくイメージできる」と話す。
そして現場に到着し、顔と喉に火傷をした女性を機内に収容、搬送する間に
症状を確認しながら治療にあたった。

このように午前中は、病院内のICUでの治療とドクターヘリの活動で慌ただしく過ごした松尾さん。昼食をとる時間もないことから…清涼飲料水で糖分をとり「インチキだけど、これで血糖値を上げて」と話しながら慌ただしく次の業務に向かった。

3度目の出動要請は「心肺停止」の女性…厳しい現実に直面することも
昼食の時間も無いまま午後の勤務に入っていると、この日3度目の出動要請が入った。
次の患者は、心肺停止の女性だった。
病院に着くまでの間、ヘリ内でも心肺蘇生を試みていた。
帰着しすぐにICUに搬送し治療を続けたが、危険な状態が続いていた。
鳥取大学医学部附属病院・松尾紀子医師:
医学的に蘇生する確率だとか、脳へのダメージだとか、そういうことを考えるとちょっと難しいという状況なので、それをお伝えしてご理解いただくということになるかと思います。ちょっと家族を探してきます。

厳しい現実と向き合うことになったが、そうした状況の直後に次なる出動要請がかかった。
鳥取大学医学部附属病院・本間正人医師:
もう現場要請だから行ってくれる?現場要請だって!間に合わないから!

「正確で確実な判断を…」高度な目標達成へ「一生修業」
感傷に浸る時間も無く、この日4回目の出動要請に対応。救命救急医としてひたすら命を救うために走り続ける。
鳥取大学医学部附属病院・松尾紀子医師:
(救急は)正確で確実な判断を迅速にすることが大事と思うので、そういう人になりたいなと思ってますが、穴だらけです。一生修業です。勉強させてもらってます。
