6月29日午前に島根県東部を震源とする地震が発生し、最大で震度3を観測しました。
この地震と、最近頻発しているトカラ列島の地震や南海トラフとの関連性はあるのか、専門家に話を聞きました。
29日午前9時59分、島根県東部を震源とする地震が発生し、米子市など鳥取県西部と島根県東部で震度3を観測しました。
震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.0と推定されます。
この地震による被害はありませんでしたが、島根県東部を震源とする地震で震度3以上を観測したのは2年ぶりです。
専門家は今回の揺れは、25年前の地震の余震だと分析しています。
島根大学地球科学科 向吉秀樹准教授:
Q29日の地震について
2000年の鳥取県西部地震の余震域で起きたもので、余震の一部という風に考えられます。
島根大学の向吉准教授によると、余震は数十年に渡って起きる可能性があり、今回の地震の震源は2000年に発生した鳥取県西部地震の余震範囲だといいます。
地震といえば気になるのが、トカラ列島近海で頻発する地震との関連性です。
島根大学地球科学科 向吉秀樹准教授:
Q.最近頻発している地震との関連性はあるんでしょうか
直接の関連性はないんですけども、今は地震の「活動期」と呼ばれるものに入っていて、これは次の南海(トラフ)地震が起きるまでは地震が起こりやすい、日本全国で起こりやすい時期になっています。
向吉准教授によると、日本列島周辺は地震が起きにくい「静穏期」を終え、大きな地震を引き起こす可能性がある「活動期」の真っただ中で、全国各地で地震が起きやすい状況だといいます。
そして、山陰ならではの注意点もあるといいます。
島根大学地球科学科 向吉秀樹准教授:
山陰地方というのは確認されている活断層の数が非常に少ないという特徴があります。ただし、実際に起きている地震は中国地方では一番多く、まだ確認されていな活断層が複数存在すると考えられる地域になっています。
2018年に起きた島根県西部地震も、こうした未確認の活断層によるものと考えられていて、思いもよらない場所で大きな地震が起きる可能性もあるため、日頃の備えが重要だと呼びかけています。
島根大学地球科学科 向吉秀樹准教授:
今現在は地震の活動域の中にいますので日頃の備えですね。
例えば大きな地震が起きたときにどういうところに避難しないといけないのか、2~3日分の食料の保管とかそういうことをしておいた方がいいかなと思います。