熊本市の熊本学園大学で3月24日に学位記授与式が行われ、卒業生・修了生合わせて1055人が門出の日を迎えた。卒業生の中には、難病と闘い続ける元自衛官・山本栞奈さん(27)の姿もあった。
熊本学園大学では1055人が旅立ちの日
熊本県立劇場で開かれた熊本学園大学と大学院の学位記授与式。式では、林裕学長が代表の学生に学位記を手渡したあと、「大学や大学院で得た知識や経験、人脈を大切にし、これからの未来を精いっぱい切り開いてください」とはなむけの言葉を贈った。

そして、卒業生を代表し、4月から中学校教員となる外国語学部英米学科の園田紗楓さんが、「熊本学園大学で培った学びの姿勢と多様な価値観を受け入れる柔軟な心を持って、これから出会う生徒たちと向き合っていきたいと思います」と抱負を述べた。

袴やスーツなどに身を包んだ1055人の卒業生・修了生たち。それぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出す。

卒業生の一人は「最初の2年間ぐらいはあまり外に出ることもなく授業を受けていたが、3年生ぐらいになってから対面授業も増えて、友達も増えて学生生活全部が楽しかった」と学生生活を振り返った。

また、「(就職先は)銀行です。経済を支える一員として頑張りたい」や「熊本県警に4月から入ります。県民の皆さんを守れる警察官になりたい」と社会人としての意気込みを語ってくれた。
「学ぶことへの意欲がさらに高まった」
また、卒業生の中には難病と闘い続ける元自衛官・山本栞奈さんの姿もあった。

現在、27歳の栞奈さん。高校卒業後に陸上自衛隊に入隊したものの、筋肉が固まる進行性の難病を患い、車いす生活に。そんな状況にも負けず社会福祉士を目指して、熊本学園大学で勉学に励み、きょうの日を迎えた。

山本さんは「〈せっかくなら華やかなものを〉と、急きょ赤の袴に変更した」と話し、支えてくれた友人と写真を撮るなどして、学生生活最後の思い出をつくった。

栞奈さんの実習などをサポートした園川七望さんは「何でも前向きに頑張っていてすごいなと、私も元気をもらえる存在」と話し、山本さんも「たまに連絡を取り合ったり、学校生活の中でも夜遅くなのに授業をサポートしてくれたり、本当にありがたい存在。友達としても仲良くしてくれて良かった」と振り返る。

また、「4年間を通して学ぶことへの意欲がさらに高まった」と話す山本さんは、今後、社会福祉士の国家試験合格を目指す。
(テレビ熊本)